回顧2018年 上越タウンジャーナル記者トーク(3)

今年1年を振り返る記者トークの前日からの続きです。(記事中で色の変わった文字をクリックすると、その記事が別ウインドウで開きます)

人手不足

記者A 今年はどこへ行っても人手不足という話を聞いた。

記者B 稲田4のやまだラーメンが5月に閉店したが、閉店理由は「人手不足」だった。

記者C 8月にオープンした「ラーメン大慈」(藤巻)や、11月に開店した「麺辛屋 二代目 美國」(稲田4)をはじめ、なるべく人的コストをかけないよう食券販売機を導入している店が増えた。居酒屋の注文が軒並みタブレット端末になったのと同じだ。

券売機(ラーメン大慈)
券売機

記者B  ラーメン店をはじめ地元の飲食店でも、大手チェーンが進出してくるとそれだけで従業員確保に苦労するという話だ。

記者A 人手不足は飲食だけではなく、製造業、建設業などあらゆる業種に及んでいる。今年は上越タウンジャーナルに製造業の求人広告が比較的多く載ったし、読者の関心も高かったようでよく見られた。

記者C うちでも今年、記者と事務職員を募集したが、採用には本当に苦労した。特に地方の人手不足が深刻と言われる通りで、採用のために今まで以上のコストをかけないと、いい人材が得られないということを痛感した。

記者B 今後、外国人材の受け入れが始まる。上越市内では製造業に技能実習生が多くいるのははもちろんだが、最近ではコンビニでアジア出身の外国人がアルバイトしているのを見かけるようになった。今後はもっと加速するのだろう。

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不祥事、不運、不幸?

記者A 上越市では1月に職員が飲酒運転で検挙された。3年度連続で職員が飲酒運転により検挙されたことになる。毎回のことだが、なんとかならないものか。また、昨年は第二庁舎が火災で全焼し、今年は12月になって南葉山荘が落雷で全焼した。市の施設が2年連続で全焼するというのも不運というかなんというか。

記者B 職員の不祥事のたびに村山市長の訓辞を聞くが、その都度かなり厳しくきちんと指導していると思うが、何度も起きる。気の毒に思ってしまう。

記者C 関根学園高校野球部の男性監督が1年生の野球部員に対して殴る蹴るの暴行をしていたとして、日本学生野球協会から謹慎処分を受けたのが今年1月。9月になって、1年生部員が手首を複雑骨折する暴力事件が起きていたことが判明した。

記者A 骨折した1年生は先輩に強要されたと主張したが、学校側や監督は「じゃれあい」とか「スキンシップ」などと説明していた。

記者C 最初の監督による暴力事件については、高野連にも報告せず隠蔽していて、その後にさらに暴力事件とは、ちょっとありえない。

記者A 一連の事件そのものももちろんだが、取材をしていて校長と監督の姿勢に問題があると感じた。まず被害生徒の保護者への説明内容が不十分でおざなりだった。また校長の保護者に対する話し方もいわゆるタメ口で、これが本当に学校の管理者かと感じた。また、今後続報記事で指摘するかもしれないのでここではあまり詳しくは言えないが、保護者に虚偽の申告を促すような説明もしていた。

記者A 手首骨折という重傷の原因を「スキンシップ」と言い張る監督のずれた感覚と、それを容認する校長という構図は不幸というしかない。野球部は、秋季北信越高校野球県大会では県3位で、3季連続4回北信越大会に出場するなど好調なだけに、残念な話だ。

謙信公祭

記者B 謙信公祭の上杉謙信役は毎年、誰がやってもミュージシャンのGACKTさんのときと、経済効果などを含めて比較されてしまう。今年は市民公募で、幼稚園長の石田明義さん(52)が選ばれた。役作りはもちろん乗馬まで練習したそうで、本番ではせりふも表情も見事だった。

謙信公祭で上杉謙信役を演じた石田さん(8月26日)
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記者C 石田さんは、石田義一郎のペンネームで歴史小説「ながれ星 冬星」を昨年出版している才人で、「義の心の会」会長。座右の銘は「上杉謙信公十六カ条の家訓」という。気合の入れようが常人とは違う。今後、公募してもこれだけの人物が出てくるかどうか。

記者A 他にいるとすれば、「越後上越 上杉おもてなし武将隊」の上杉謙信か。以前実施したアンケートでも市民の中には武将隊に一度やらせてほしいという声が多いので、来年あたりどうか。

TJ調査隊

記者A 普段は直接記事になりづらいネタや、ちょっと時間をかけて掘り下げたネタをやる「TJ調査隊」は、昨年から始めたものだが、今年もいくつか記事を出せた。

記者B 今年書いたものを振り返ってみると、「なぜ? 高校球児が駐車場で “守備”」とか「“3年豪雪”後に上越市の出生数が増えたってホント?」、「巨大魚ピラルクはどこへ行った?」、「閉校した小猿屋小に飛行機のプロペラがある?」など見出しだけ見てもなかなか興味深い。

記者A 今後もこうした独自な視点での記事に取り組んでいきたいね。読者の皆さんからの調査要請もいただいているが、記事にするのが難しいものや、予想外に時間がかかるものもある。「東洋一の高田公園のハスより広い日本一のハス」のように、必要があれば県外取材もやっていきたい。

記者C 独自と言えば今月の「違法看板」のキャンペーン。内容は記事の通りだが、その後、通りから違法看板が一掃され、何人かの読者から「風景が変わった」とも言われた。

記者A それと12月に入って明らかになったチェーン規制。チェーン所有状況などをアンケート調査したら、上越市、妙高市の9割以上が持っていないという結果になった。

記者B チェーン規制についてはSNSでもさまざまな意見が出ていたが、これまで通行止めになる場合に行われるのがチェーン規制なので、雪国に住むわたしたちは今まで通りに注意深く行動すればいいということだ。

記者C 雪もやんできたので、そろそろお開きにして帰ろう。

全員 それでは皆さん、良いお年を。

(回顧2018年記者トークおわり)