“3年豪雪” は、1984~86年の3年連続で上越地方を襲った、積雪3m前後の記録的な大雪である。中でも3年目の86年は、324cmの最深積雪となり、戦後第1位、観測史上3位を記録した。市街地の一斉雪下ろしが高田で2回、直江津でも1回行われたほか、市民は昼夜を問わず、除雪に追われた。
“3年豪雪後に出生数が増えた”といううわさは、3年豪雪の直後に宴席の話題や世間話として話題になったことがある。今年、上越市高田の積雪が3年ぶりに1mを超えたことなどから、再び話題に上ったのではないだろうか。“なるほど”と思わせる説得力のある話ではある。
さて、市民が「生まれた赤ちゃんが増えた」と感じるのは、「産院が混んでいる」「新聞の出生欄がすごく多くなった」「出産祝いをあげる人が周囲で急に増えた」などの場合だろう。つまり人口の増減にかかわらず、出生数が増加したかどうかを見ればいいだろう。
上越市での出生数を、上越市統計要覧で調べてみた。グラフにすると次の通りである。
うわさ話のような“3年豪雪”後の出生数の増加は特にみられず、減少の一途をたどっている。1981~89年の間、上越市の人口は2.2%増加しているのにもかかわらず、である。また、普通出生率(=人口1000人当たりの出生数)は1981年が13.5、8年後の89年が10.7で、2.8ポイント低下している。
少しでも関連があればおもしろかったのだが、「豪雪で夫婦仲が良くなるという事実はなさそう」という結論になった。
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