◇回顧2013◇ 上越タウンジャーナル記者トーク(3)

 3回目の最後はネット関連や、面白かったニュースを取り上げてみます。「上越タウンジャーナル」は、ネットメディアとしてまだまだ中途半端ですが、地方発のローカルメディアとして来年も挑戦を続けていくので、どうぞよろしくお願いします。

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上越市内を走っていたGoogleの撮影車
ストリートビュー

【ネット関連】

川村 「上越タウンジャーナル」はネットメディアなので、ネットの状況についてふれてみたい。最近はPCより、スマホからのアクセスが急増していて驚く。今年の夏から秋にかけて、上越市と妙高市でLTEエリアがずいぶん拡大し、市街地では快適な高速通信が可能になってきた。

江口 12月からはGoogleストリートビューが上越市でもサービスが始まったし、上越市議会ではユーストリームでの委員会審査の中継もスタートした。市議会のネット中継なんかは普段はほとんど見られていなくても、談合疑惑など市民の関心が高い問題のとき、市民が手軽に見る環境が整っていることに意味があるのだと思う。

川村 YouTubeの視聴も快適になり、これからのネットは映像時代に入っていくだろう。妙高市出身HIKAKINさんは、YouTubeのチャンネルに動画を毎日アップしていて、チャンネルの登録者は130万人を数える。HIKAKINさんのようにYouTubeへの投稿だけで生活できる人は、今後アメリカ並みに増えていくと思う。

江口 ツイッターは、6秒の動画を共有できる「Vine」の日本語対応を11月22日から始めるなど、動画時代にも対応した。Vineは面白くって、今年個人的に結構はまった。

川村 ツイッターといえば、二葉楽器の店長が雁木下の雪アートをツイッターに投稿し、それが画像ランキングで1位になったのが、雪国からの発想として素晴らしかった。最初はベースギター、次にウクレレ、3回目はビートルズだった。

江口 フェイスブックの急速な普及には正直、驚いた。県上越地域振興局主催の「ご当地じまん合戦」がフェイスブックで投票が行われたように、今後は積極的な活用が増えていくだろう。

川村 上越でもこの1年で若者だけでなく、60代、70代でもフェイスブックをやっている人がすごく増えた印象がある。

江口 フェイスブックと言えばフェイスブックページ「質問席」。フェイスブック上で知り合った市民たちが、市議会に100万円の「質問席」が設置される話を聞き、議論を重ね要望書を提出したりと活発に動いた。議会側へのインパクトもあったと思う。結局安価な案で落ち着いた。原則実名のフェイスブック上で責任ある議論を行い行動するというこういった活動はすごく新しい動きだと思う。「質問席」はこの問題だけでなく、文字通り市民の質問席として今後も活動すると言っているので、来年の活躍にも期待したい。

川村 ところで、公職選挙法が改正され、7月の参院選からインターネットによる選挙運動が解禁されたわけだが、実際はどうだったか。

江口 参院選ではホームページやブログのほか、ツイッター、フェイスブックといったSNS、動画サイトなどを活用して情報発信ができたわけだが、候補(陣営)によって差がありすぎな感じだった。ブログに各種のSNS、YouTubeと見事に使いこなしている陣営もあれば、いつの時代かと見紛うようなサイトの陣営もいて、これについてはすごく差があった。
 個人的には上越市長選でのネット選挙がどう展開されるかを楽しみにしていたのだが、無投票だったので何もなかった。

下吉野に突如出現した大恐竜
恐竜

【おもしろニュース】

江口 「上越タウンジャーナル」に、ちょっと笑えるニュースを期待する読者も多いので、最後に「おもしろニュース」を持ってきた。

川村 1920年代に活躍したサイレント映画の大スター、バスター・キートンは、顔は無表情なのに観客を大爆笑させた。本当に笑えるのは、周囲をよそに本人がいたって大真面目にやることだと思う。
 その基準から考えると、今年8月に下吉野の早津さんが市道沿いに作った大型恐竜の立体作品には、不謹慎ながらも笑いを禁じ得なかった。体高約4m50cm、体長は約18mの大型模型を100万円もかけて作り、1か月もしないうちに叩き壊してしまったからだ。「何のために作ったのか」と聞いたら、「子供の遊び場にしようとか、地域づくりのためなどの発想はまったくない」と答えたのには仰天。「しいて言えば道楽です」との答えに納得した。先ほどの二葉楽器の店長や、こういう人の存在が世の中を楽しくする。

江口 上越商工会議所青年部が企画した北陸新幹線の駅弁コンテストもそう。新駅近くの釜蓋(かまぶた)遺跡にかけて「笹ぶた弁当」とか、ただのダジャレだけどそれを大真面目に企画にしてしまった。上越の人は結構真面目なので、一昔前ならこんな企画は絶対通らなくて、怒られていたと思うけど、ここ数年、こういった楽しい企画が多く見られるようになった気がする。

川村 2月に牧区で開かれた「ごんぞ飛ばし選手権」は面白かった。片足に履いたごんぞ(わらぐつ)を、どこまで遠くへ飛ばすかを競う競技で、吹雪の中、大の大人が大真面目にわら靴を飛ばす競技に熱中しているのには笑えた。「ごんぞ飛ばし」は牧区でしかやっていないので、その記録を「世界新記録」としているのもイケてる。

江口 ちょっと方向は違うけど、個人的に面白かったのは、「ローソンの謎のプレハブ店舗」。上越大通り沿いの空き地にぽつんとプレハブが建ち、そこには「たばこ」と書いたのぼり旗があり「ローソン」のマークが付いているというシュールな風景。中には人が居てたばこも売っていた。謎は記事を見てもらうとして、こういうちょっとしたことを記事にするのも面白かった。

川村 長野県を本拠地にしている信州プロレスが毎年、7月15日の海の日に、たにはま海水浴場にやってくる。昨年、初めて見て面白さに度肝を抜かれたので、今年も取材して動画でアップした。スポーツというよりもスラップスティック・コメディで、昔のハリウッド映画で言えば「マルクス兄弟」や「ハロルド・ロイド」、日本では「エノケン」の面白さかな。動画でアップしてあるので、未見の人はぜひ見てほしい。

江口 あと「おじぎバルーン」や定番となった「動物単管バリケード」なんかも結構、読まれている。普段見る何気なさの中にある面白さなんだと思う。

川村 この辺でそろそろ終わりにしたいけれど、今年もいろいろな出来事があった。「おもてなし」ならぬ「ろくでなし」のハレンチ事件や不祥事も多かったし、「倍返し」どころか一円も戻ってこない詐欺事件も相次いだ。「じぇじぇじぇ」と驚く事件、事故も多かった。来年は、少しでも愉快で楽しい出来事が多くなってほしいものだ。

◇回顧2013◇ 上越タウンジャーナル記者トーク(1)
https://www.joetsutj.com/articles/52064690

◇回顧2013◇ 上越タウンジャーナル記者トーク(2)
https://www.joetsutj.com/articles/52064724

◇回顧2013◇ 上越タウンジャーナル記者トーク(3)
https://www.joetsutj.com/articles/52064924