北アメリカに生息し約6500万年前に絶滅した大型草食性恐竜、ディプロドクスが新潟県上越市下吉野の市道沿いに出現した。同所の町内会長をしている鑑定士、早津輝雄さん(69)が制作中の立体作品で、体高約4m50cm、体長は約18m。今後ペンキを塗り、2013年8月末には完成する見込みだという。設置期間は約1か月の予定。
早津さんは「大昔があって現代がある。農村に大昔の風景があってもいいのではないか」とひらめき、7月から私有地を利用して作り始めたという。「子供の遊び場にしようとか、地域づくりのためなどの発想はまったくない。見た人が自由に考えてほしい」と話す。
同市大潟区米倉新田の米倉児童公園にある恐竜形の滑り台をヒントに、講談社の恐竜図鑑を参考にして形を決めた。ディプロドクスに決めたのは「形が整っているから」。立ち姿にしたかったが、土で造形するので難しく、「座った姿にするため、ネコを見て足の形などを研究した」と話す。長い首は土では制作不可能のため、発泡スチロールの中に鉄パイプを入れて作った。
実物の約2分の1の大きさとはいえ、使った土は4トンダンプ11台分。モルタルは1.5立方mに及ぶ。造形の仕上げとなった8月19日には、シルバー人材センターや左官業者など9人を頼み、金網を貼った上からモルタルを塗る作業を行った。材料費などを含めた総費用は100万円前後になりそうだという。
今後は白いペンキを塗った上から、得意の水彩画の腕を生かし、模様を描いていく予定。早津さんは「8月末に完成するが、脇見運転をして事故を起こさないよう気をつけてほしい」と話している。
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