回顧2025年 上越タウンジャーナル記者トーク(1)

2025年も「上越タウンジャーナル」をご愛読いただき、ありがとうございました。今年1年間、新潟県上越地域で起きたいろいろなニュースを振り返り、エピソードを交えながらトークを繰り広げます。今日は1回目です。

「米まずい」発言炎上

記者A 今年は中川幹太市長にとって1期目の最後の年だったが、7月になって兵庫県三田市周辺の米について「まずい」などと発言して波紋を広げた。

記者B 三田市長から抗議状が来て、兵庫県の斎藤元彦知事も「大変残念」と表明。上越市議会も中川市長に辞職するよう申し入れるなど、問題は広がり、最後は三田市へ行って直接謝罪する事態となった。

三田市役所の1階ロビーで田村市長(右)に謝罪する中川市長(7月29日)

記者C 就任直後からの数々の不適切発言を続けてきたが、三田米の件は、意図も意味も不明な上に影響も大きかった。謝罪などの対応が公務として行われ、それに税金が使われたことに憤った市民も多かった。もっともな怒りだと思う。

上越市長選 史上最多6人、現職敗れる

記者A 10月の上越市長選。史上最多の6人が争って、結果は新人の元外交官・小菅淳一さんが2万4039票で初当選。次点は1万9586票の元参議院議員の風間直樹さん。現職の中川幹太さんの得票は1万6295票で3位だった。

上越青年会議所による討論会終了後、写真撮影に応じた6人の立候補予定者(10月16日)

記者B 一般的に2期目を目指す現職は強いとされているが、今回は自ら招いた舌禍で敗れた。

記者C 1期目を通して重ねてきた不適切発言が、最後に市民の審判として出た感じだ。

記者A 各候補ともSNSの活用に力を入れていた。特に風間さんがうまく、得票にも繋がったと思う。

記者C 風間さんは選挙が終わっても毎月、動画の生配信を続けている。選挙のときだけでなく普段からのこうした発信は大切だと思う。

記者B 今回の選挙は、現職以外の5人ともが訴えた「市政の正常化」を市民が求めた結果だと思う。そして「信頼と誠実」を掲げた小菅さんが当選した。

小菅新市政スタート

記者A 11月9日に小菅淳一市長が就任した。記者会見や市議会12月定例会では、物価高対策や公約の具体性などを記者や議員が何度も尋ねたが、未だ検討中で正式決定していないものについては、軽々しく発言しないのが小菅市長の一貫した姿勢だ。

記者B 就任直後の市議会で副市長を4人にする条例改正案の否決で始まり、相次ぐ不適切発言や辞職勧告決議など騒動が絶えなかった前市政とは様変わりした。来年2月の新年度予算案発表が本格的な小菅市政のスタートとなるだろう。

真夏の渇水 ― 水管破断事故に記録的少雨

記者A 大きな出来事の一つが渇水だった。発端は4月の県営高田発電所の水管破断事故で、そこに記録的少雨と猛暑が重なった。

記者B 城山浄水場が止まり、当初は影響は限定的と見られていたが、7月の降水量はわずか0.5ミリとなり、市が31年ぶりの節水要請を行ったことで、状況は一気に緊迫した。給水スポットに並ぶ人たちの姿は、災害時そのものだった。

生活用水を求める市民が列を作った給水スポット(7月26日)

記者A 市側の対応も時間との闘いで、消雪用井戸から浄水場へ水を送る緊急配管工事は、真夏の猛暑の中、24時間態勢で行われた。

消雪用の井戸から城山浄水場に向けて敷設された管(8月2日)

記者B 市民への情報提供にも難しさがあった。「何日までは断水しない」「ただし前提は40%節水」。このいわば「条件付きの安心」が、かえってその先の不安を増幅させた面もあった。

記者C 結果的に大規模断水は回避されたが、都市インフラのもろさを突きつけられた。危機管理や水源確保のあり方も含め、検証が年度内に行われるが、今後の教訓として残さなければならない。

集中豪雨や突風被害も

記者A 9月には直江津地区を中心に豪雨災害に見舞われた。天王川などの小規模河川や用水路などがあふれ、直江津市街地を中心に床上浸水が51件、床下浸水が322件の被害があった。

直江津駅前の県運転免許センター上越支所付近(9月3日、読者提供)

記者B 過去にも水害はあったと聞いたが、直江津駅前がかなり冠水していた。住民によると、車が水没しないよう勢いよく道路を走るので、車の立てる波で店舗などに水が入ってきたという。道路が冠水した時は早めに通行止めにした方がいいのではないか。

記者C 9月には三和区などで突風被害もあった。杉の木が地面ごと根元から倒れ、民家の屋根を押しつぶし、電柱は何本も斜めになっていた。

風で倒れた杉の木が民家と蔵を押しつぶした(9月10日、三和区大東)

記者A 気象台の調査の結果、積乱雲から吹き下ろす下降気流が地表にぶつかって周囲に広がるダウンバーストか、積乱雲の下にたまった冷たい空気の塊が流れ出して突風が吹くガストフロントだったという。

記者B 被害があった三和区などの郊外の家は広い敷地に防風林があり、それが突風で倒れて被害が大きくなった。

クマ出没、人身被害相次ぐ

記者B 今年の世相を表す「今年の漢字」は「熊」だった。全国的にクマの出没や被害が相次ぎ、世間を騒がせた。妙高市でも人身被害が2件あり、散歩していた90代男性ランニング中の30代男性がクマに襲われて骨折などした。対処法を分かっていても、突然遭遇したら冷静ではいられなかっただろう。

記者C 被害を受けて10月には初めての「クマ警戒対策会議」が開かれ、市と関係機関が対応を協議した。市内の小中学生には熊鈴が配られ、捕獲用わなの増設や行楽シーズンの観光地には威嚇機が新設された。

クマよけの鈴をランドセルに付ける妙高高原小児童(10月17日)

記者A 威嚇基は男性の雄叫びのような音がランダムで流れるそうだ。紅葉を楽しみに来た人たちにとっては少し雰囲気を損なったかもしれないが、人の命にはかえられない。

記者C 上越市では大島区の山林で、測量作業をしていた20代の男性2人が足をかまれる被害もあった。今年はエサとなるブナが凶作だったこともあるけれど、今後も行動エリアが広がっていきそうで心配だ。

令和の米騒動

記者A 今年も続いた、コメが品薄になり値上がりする「令和の米騒動」。初の備蓄米放出に米どころ上越でもスーパーには行列が出来た。取材時に購入した2022年産米を編集部で鍋で炊いて食べてみたが、普通においしかった。

記者B 上越地域のスーパー「イチコ」では、安価な「ベトナム産ジャポニカ米」の試験販売もあった。

記者C 新米が出回ってもコメの値段は高止まりしたままだ。来年はコメの値段はある程度は下がると予想されているが、どうなるのだろうか。

<つづく>

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