2025上越市長選 元外交官の小菅淳一氏(73)が初当選 史上最多6人の激戦制す

任期満了に伴う上越市長選は2025年10月26日投開票され、無所属で元外交官の小菅淳一氏(73)が初当選した。同市長選史上最多の6人が立候補した今回の選挙は、相次ぐ不適切発言により議会から辞職勧告決議を受けるなどした現職中川幹太氏(50)の1期4年の市政運営への評価が最大の争点で、市民は市政の安定と正常化を選んだ。

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小菅氏「私利私欲なく市民のために働きたい」

小菅氏は午後11時前、藤巻の事務所で支持者ら約60人から拍手で迎えられながら会場入り。11時過ぎに当選が確実になると、選対本部長を務める村山秀幸前市長と石田誠夫後援会長の音頭で万歳した。

石田後援会長の音頭で万歳

小菅氏は目に涙を浮かべ、「無名だった私をここまで導いていただきありがとうございます。それしかありません。これからの責任を考えると身の引き締まる思い」と語った。

涙を浮かべ感謝を述べる小菅氏

報道陣の取材に「私利私欲なく市民の皆さんのために働きたいという気持ちを分かってもらえた。信頼と誠実のモットーが市民にも求められている。交渉力、人脈を生かし、世界の暮らしを見てきたことからヒントを得て、上越市を世界で一番住みやすく輝くまちにしたい」と話した。

当選を喜ぶ支援者ら

現職の中川氏2期目ならず 「全て私一人の責任」

中川氏は五智新町の選挙事務所で約30人の支持者と共に開票を見守った。午後10時30分過ぎの2回目の開票結果がテレビ画面に映し出されると「(票が)並んでいる」と一言。しかし、午後11時過ぎにテレビの速報より前に開票所から落選の報が伝わると、すぐさま前に出て、報道各社が用意したマイクを手に敗戦の弁を述べた。

落選が決まり、支持者に頭を下げる中川氏

中川氏は「この結果は全て私一人の責任。たくさんの方に応援していただき、本当に申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げた。今後については、「今までやってきたことを振り返りながら、皆さんと話をしながら決めていきたい」と述べると、支援者からは拍手と共に「まだ若いんだから大丈夫。次がある」との声も上がった。

支持者約30人と開票を見守った

落選の要因として、相次いだ不適切発言の影響を挙げた。「私としては発言を踏まえながら、これからの政策を訴えてきたが、こういう結果となった」と述べた。選挙戦中には有権者から握手を拒まれることもあったと説明した。

敗戦の弁を述べる中川氏

中川氏は「市民の選択。私は4年間、やれる範囲で政策を実行してきた。全ての政策についてもっとやりたかった」と悔しさもにじませた。

選対本部長の秋山三枝子後援会長は「マイナスからのスタートだったが、(不適切発言の影響を)払拭することができないまま、時間切れとなった。期待していた分、がっかりした思いにとらわれたと思う。選対としては組織戦やSNSなどを使った選挙戦が追いつかない部分があった」と振り返った。

次点の風間氏「反応が良かっただけに残念」

次点となった元参議院議員の風間直樹氏(59)の陣営は、西本町3の事務所で約15人の支持者が開票を見守った。午後11時過ぎの開票速報で小菅氏の当選が確定的になると、会場から「あぁー」とため息が漏れた。会場に姿を現した風間氏は「力及ばずという結果になった。選挙期間中の反応がすごく良かっただけに非常に残念だが、結果は結果として受け止めて今後に生かしていきたい。選挙期間中、私を一生懸命支えていただき心より御礼申し上げます」と頭を下げ、支援者から「頑張った」と労いの声や拍手が起こった。

集まった支援者に感謝を述べる風間氏

報道陣の取材で選挙戦を振り返った風間氏は「SNSやYouTubeのライブ配信も含め多くの人に私の考えや政策を届けられた感触があった。それだけに次点という形になりちょっと心残り。(敗因は)選挙結果を分析しないと正直分からない。できることは全部やった」と語った。今後については「支持者の皆さんや、明日(27日)夜のYouTube配信で皆さんに考えを聞きながら決めたい。まだ引退はしないと思う」と話した。

落選が濃厚になり落胆する支援者

宮越氏「年齢の問題越えられなかった」

元市長の宮越馨氏(84)は2期8年の市長経験から「即戦力」として現市政の立て直しを訴え、「子ども年金」など、300の政策を掲げたが、支持が広がらずに涙をのんだ。木田3の事務所には約30人の支持者が集まった。午後11時の結果を待たずに敗戦の弁に立ち、「年齢の問題が越えられなかったことが要因。政策は誰にも負けなかったが浸透していかなかった」とした。また、「政治の世界は難しいと実感。厳粛に受け止めたい。慚愧に堪えないが支援をいただいたことに感謝している」と話した。

開票速報に「厳しいね」の声も

宮越氏は「最後の戦い」と位置づけ今回選挙戦に挑んだが、報道陣に対し、得票数9800票を「思ったより少なかった」とした。「死ぬまで政治家。死んだら引退」と話し、今後の選挙戦への挑戦については「選挙は描いたようには動けない。私に期待する動きがあれば。(今は)明確な答えは出しにくい」と明言を避けた。

支持者の前で敗戦の弁を述べる宮越氏

このほか、元市議会議長の石田裕一氏(62)と前市議の丸山章氏(71)も及ばなかった。