回顧2021年 上越タウンジャーナル記者トーク(3)

今年1年を振り返る記者トークの前日からの続きです。(記事中で色の変わった文字をクリックすると、記事が別ウインドウで開きます)

コロナ禍の飲食店

記者A 新型コロナの影響で上越市内の飲食店からは「経営が厳しい」という声もあちこちで聞いた。一時期、高田・仲町は週末なのに店も閉じ、人通りもなく、これまでに見たことのないとても異様な光景だった。

記者B コロナ禍を耐えて頑張る飲食店を応援するイベントを取材したら、人の多さに驚いた。店側はイベントを機に「店を知ってもらうきっかけ」になったと思うし、話を聞いた客の中には「飲食のイベントを待ち望んでいた」という声も多かった。

記者A 閉店した店を見つけると寂しい気持ちになる一方、この厳しいご時世に新たに開店、リニューアルする店もあり、とても元気をもらった。

牧区荒井にオープンした「ポテトヘッド」 20210623ポテトヘッド開店1

記者B かわいらしい雑貨の移動販売「クレイジーチッパカンパニー」、牧区の田園で建設会社役員を務める夫とその妻が開いたフライドポテト店「ポテトヘッド」、アメリカ南部の伝統料理「ジャンバラヤ」やメキシコ風ピザ「ケサディーヤ」など上越では珍しい料理を提供する「五智国分寺ランチ&CAFE上人茶屋」、沖縄のアイスクリーム「ブルーシール」をテイクアウト販売する沖縄料理の居酒屋「kitchenたまちゃん」、プロスノーボーダーの男性が「通年仕事に就きながらでも好きな活動を続けたい」とパートナーの女性と開いたラーメン店「麺屋風花」、妙高市には珍しい路面店のカフェ「cafe Nekoji」など、どの店もオリジナリティーあふれる新しいスタイルの店だった。個人的には創業80年以上、アイスキャンデーで知られる井上冷菓のリニューアルはうれしかったし、多くの人たちの喜びの声も聞いた。

記者C プレミアム商品券の発行も続いた。種類がたくさんあるから使える店を間違えたこともあった。飲食店では期限切れ前の「かけこみ利用」のお客が多かったようだ。

徐々に普及するコワーキングスペース

記者A コロナ禍でテレワークが普及する中で、上越にも次々にコワーキングスペースがオープンしたね。町家を改修したところクリエイター向けに設備が充実したところローカル5Gを配備したところなど、それぞれの特色がはっきりしている。

本町4のコワーキングスペース「bibit(ビビット)」 20211224-DSC_0050

記者B どれも“利用者の交流“にも重きを置いていて、誰かと偶然知り合う機会が減る中、新しい事業や出会いを生み出す場を目指しているらしい。まだ利用者数は多くないみたいだけど、これから上越の人にもどれだけ根付くのか注目したいね。

コロナ禍で宅配ピザが相次ぎ出店

記者C 今年に入って宅配ピザ店が相次いで3店出店した。3月にはテキサスハンズ、9月にピザハット、今月にはドミノ・ピザがオープンした。いずれも上越大通り沿いで、半径600mの円に収まる位置だ。

木田2の上越大通り沿いにオープンした「ドミノ・ピザ上越木田店」 20211214ドミノ・ピザ1

記者A コロナ禍の宅配、テイクアウト需要を見込んでの出店ということだろうが、これが結構当たっているようでどの店もそれなりに流行っているようだ。

岐路に立つ3セク経営

記者A 昨年も取り上げたが、上越市の第3セクターのあり方が問われている。三和区のホテル「「三和ネイチャーリングホテル米本陣」を運営していた三和振興が3月に経営悪化を理由に指定管理を辞退し、その後会社は解散。エフエム上越も4月から上越ケーブルビジョン(JCV)に無償で事業譲渡し、会社は清算された。

記者B さらに名立区の大型観光施設「うみてらす名立」を運営していたゆめ企画名立は、来年度に日帰り温浴施設やホテルなどを運営するBJ(本社、長野市)に全株式を譲渡し、民営化されることになった。また吉川区のよしかわ杜氏の郷も来年度にも民間譲渡する方針が示された。

記者C 持ち株会社、Jホールディングスで3セクをなんとかしようという当初の目論見は完全に失敗に終わったと言える。市は来年度以降、Jホールディングスの解散を含む抜本的な整理に着手する考えだ。

記者B 14市町村が合併してできた上越市には、似たような3セクがたくさんあり大変だが、公と民間、3セクそれぞれが担うべき役割をもう一度きちんと定義して整理しないと、何のために何をしているのかわからなくなると思う。

記者C 来年度以降、本格的な議論が行われることになると思うので注目していきたい。

議論呼んだ「なおえつうみまちアート」

記者C 今年もいろいろなことがあったが、初めてのイベントとして議論を呼んだ「なおえつうみまちアート」に触れないわけにはいかない。

なおえつうみまちアートの展示作品「そらのみなと」 20210801-DSC_9696

記者B 上越市などが約7000万円をかけて直江津地区を会場に開催した現代アートイベントで、SNSなどでさまざまな議論が起きていたので、上越タウンジャーナルでは、関係者の意見を寄稿という形で掲載した(磯田さんの寄稿今井さんの寄稿)。

記者A 賛成反対、効果、課題などは検証記事に譲るが、そこに住む人々が自分の意見を表明して当事者として議論するということはいいことだと感じた。

記者C 来年度は実施しないと中川市長が表明しているが、議論を尽くして課題を整理してさらに素晴らしい取り組みになればいいと思う。

<おわり>

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