海産物の地酒漬け珍味で知られる新潟県上越市新保古新田の西沢珍味販売(永野富士夫社長)は2021年7月17日、看板商品の「清酒づけ」と「ワインづけ」シリーズの新商品として、サメ肉の珍味を発売した。干したサメ肉を地酒で程よい柔らかさに戻した“半生食感”が特徴で、手軽にサメを味わうことができる。
同社が約40年前から販売する人気シリーズの清酒づけには田中酒造(同市長浜)の代表銘柄「能鷹」を、ワインづけには岩の原葡萄園(同市北方)の白ワイン「善」を使用。タラやエイヒレ、サケなどの乾物を、素材に合わせて配合を調整した酒と調味料などを混ぜたたれに漬け、臭みをなくし、絶妙な柔らかさに仕上げている。
サメをシリーズ新作として加えるのは、同市の料理研究家、井部真理さんの提案によるもの。永野社長は、サメ食文化が根付く上越で「身近な食材を使いたい」と提案にのり、井部さんの紹介で宮城県気仙沼市の会社から干しサメ肉を仕入れ、商品化を実現した。淡白な味わいのサメだが、かむ度にうま味と酒の香りが広がる一品で、酒のつまみや、常温保存のため手みやげにもぴったりだ。
全国のサメ食文化が根付く地域を回ってきた井部さんによると、サメの乾物を販売するのは全国でもかなり珍しいという。井部さんは「サメの消費量が減少する中、調理せずに手軽に食べられ、サメを身近に感じてもらえる商品」、永野社長は「上越のサメ食文化をピーアールしていきたい」と話している。
清酒づけ、ワインづけのいずれも1袋26gで商品価格648円。楽天市場内の同社のネットショップ「ニシザワチャンネル」で販売するほか、駅や観光施設でも販売予定。問い合わせは西沢珍味販売025-524-9818。