2021年も残り少なくなりました。今年も「上越タウンジャーナル」をご愛読いただき、ありがとうございました。今年1年間、新潟県上越地域で起きたいろいろなニュースを振り返り、エピソードを交えながらトークを繰り広げます。今日はその第1回です。
記録的大雪で都市機能まひ
記者A もう1年経つのかと思うけれど、1月の豪雪はホントにすごかった。1日の降雪量103cmというのは、3年豪雪1年目の1986年1月以来35年ぶり。これまでも数年に一度、大雪の年はあったけど、除雪車が何日も来ないなんてことはなかった。
記者B 雪に慣れていると言っても、短時間に集中して降るとどうにもならない。幹線道路は車が立ち往生、市道や県道は除雪が間に合わずあちこちで通行不能、ごみ収集は1週間以上休止で、学校も休校になり、都市機能がまひした。空き家の倒壊も相次いだ。
記者A 自家用車も出せないので、取材は歩きが基本。雪に埋もれた街の中を朝からリュックを背負って何時間も歩いて回った。取材して歩いて帰り記事を書いた後は、自分の家の除雪もあり、本当に疲れた。
記者B 除雪業者は幹線道路の除雪に追われ、住宅地には除雪車が全く来ないので、自主的に住民が市道の除雪をした所が数多くあった。大雪災害を検証した市は、町内会などが行った市道の除雪作業に最大5万円を支給する報償制度を導入したが、細かな条件もあって、普及は未知数。
9年ぶりに一斉雪下ろし
記者C 9年ぶりの高田市街地の一斉雪下ろしも行われ、高齢化と人口減による人手不足や空き家問題が改めて浮き彫りになった。今月、市は降雪期前に初めてとなる町内会対象の一斉雪下ろしの事前説明会を開き、災害ボランティアによる雪下ろしは危険なため実施しないとした。
記者B 「子どもの頃から屋根に上がっている」なんて人も多いけど、屋根から転落してけがをする人が後を立たない。ボランティアでけがをしたら大変だからね。この先人口減少はどんどん進むだろうから、除雪はますます雪国の大きな問題となるだろう。
カメ? スタック?
記者A そう言えば、車の底部に雪がつかえてタイヤが空転して動けなくなった状態を「カメになる」って言うけど、各地で立ち往生が発生しニュースで頻繁に「スタック(stuck)する」が使われたため、あっという間にスタックが一般化した気がする。
記者B 「カメになる」は雪で前にも後ろにも動けない車を、腹がつかえて手足をバタバタさせているカメになぞらえた面白い言い方だと思う。でも雪国の人でないと分からないかも。ニュアンスはぴったりでいい言葉だと思うのだが、報道では使いづらい(笑)。
記者A 気象庁発表の今後の3か月予報では、昨冬に大雪をもたらしたラニーニャ現象が今冬も発生していて、年明け1月も雪は多いと予想されている。2年連続の大雪は勘弁してほしい。
コロナ禍2年目
記者A 新型コロナは2年目。ワクチン接種が行われた。わたしは2回とも副反応で熱が出てそれぞれ2日仕事を休んだ。つらかった。
記者C 高齢者のワクチン接種は5月から始まったが、ここで上越市が全国の注目を浴びたのが、集団接種の予約方法。市が一人一人の日時と場所を指定して通知する「上越方式」だ。全国では予約しようにも電話がつながらない、高齢者はネット予約ができないなど混乱したが、上越市は順調に進んだ。
記者A 上越市は定額給付金の時も、全国の自治体の中でも振り込みが早く進んだ。人口規模がちょうどよかったんだろうね。人口が多い自治体は指定方式は難しいと思う。
記者C 担当した部局の職員たちが知恵を出し合ってこの方式を採用したという。いつもは市民から厳しい目で見られている職員だが、この件についてはもっとほめられていいと思う。
記者B 64歳以下のワクチン接種が行われている中で、上越市では8月下旬以降感染者が急増。1日で12人の感染者が発表された時もあった。10代や20代の若者の感染が増えたほか、幼稚園での園児、職員、保護者などのクラスター(感染者集団)も発生した。
記者A コロナは直接の感染者よりも経済的な影響が甚大で、地域経済に大きな影を落とし続けているが、長くなるので次回以降に話し合おう。
<つづく>