新潟県上越市は2021年12月23日、高田地区など46町内会を対象に、「一斉雪下ろし」に備えた事前説明会を高田城址公園オーレンプラザで開いた。昨冬の大雪災害の検証を踏まえた新たな対応として、一斉雪下ろしの円滑な実施に向けて初めて降雪期前に開かれ、実施手順などを確認した。
高田地区では今年1月、積雪深249cmを記録し、2012年以来9年ぶりに一斉雪下ろしを実施した。市が行った大雪災害対応の検証では、一斉雪下ろしを決定してから実施までの期間が長すぎるなど課題が上がり、迅速な実施のため毎年降雪期前に説明会を開くとした。
会には各町内会長らが参加。一斉雪下ろしに備えて町内会が事前に行うことから実施後の町内会負担金の納付まで、一連の手順をリストで確認したほか、昨冬は雪下ろしを業者に依頼するのに苦労したという意見があったことから、協力可能な事業者の一覧なども共有された。
空き家の雪下ろしについては、市が所有者に適切な対応を求めながらも可能な限り町内会が実施することとし、災害ボランティアによる雪下ろしは危険を伴うため行わないとした。これを受け参加者からは、町内会が空き家の雪下ろしを実施した場合の費用負担について質問が上がり、市は持ち帰り検討するとした。
参加した町内会長の男性(71)は「課題をはっきりさせる必要があるので、こういった会を開くことは大事。町内会で空き家の雪下ろしをする場合、排雪費は安いが大変なのは雪を下ろす労務費。昨冬のような大雪が3年も続けば町内会は破産するので、市でなんとかしてほしい」と話していた。