回顧2019年 上越タウンジャーナル記者トーク(1)

2019年も残り少なくなりました。今年も「上越タウンジャーナル」をご愛読いただき、ありがとうございました。今年1年間、新潟県上越地域で起きたいろいろなニュースを振り返り、エピソードを交えながらトークを繰り広げます。今日はその第1回です。

ヨーカドー跡に関心

イトーヨーカドー直江津店が閉店(2019年5月12日)
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記者B 核店舗の誘致は難しく、1年以上かかる場合が多いが、直江津店は半年もかからずスーパーが再開されたのは良かった。

記者C 無印良品は“上越初出店”と思っている市民は多いが、正確に言うと「再出店」となる。1985年(昭和60年)11月、上越市土橋にオープンした大型店「イヅモヤ・ジャスコ高田店」(現在の市民プラザ)の1階にあった(注1)。いつ撤退したのかは分からないけれど。

記者B 大躍進してきたコンビニがついに飽和状況になったと言われている。ドラッグストアとの競合や、自社競合もあり、数年前から店舗数が伸びていない。

3ホテルで計516室の脅威

上越妙高駅西口のホテル(2019年12月)
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記者C 新しいホテルはチェーンの特典があったり、ネット環境なども整っている。温泉付きもあり、客は便利で快適な方を選ぶだろう。老朽化しているホテルだけでなく、全般に影響が出てくるだろう。

上越市の人口が6年間で1万人減

記者C 少子化と転出という2つの要因が、人口減少を加速させている。1年間で牧区に相当する人口が消滅したのだから、かなり深刻だ。

記者A 高齢者の寿命が伸びているからまだ人口が維持できているが、実態は「人口半減社会」だと思う。

記者C 上越市もコンパクトシティ化を進めたいところだが、過疎化と中心市街地の空洞化が進み、商業施設や住宅地が郊外に拡大している。人口減少で税収が減っていく一方、郊外化によって道路の維持費、除雪費、上下水道の維持費などは増加していく。単純計算では、人口密度が半分になると、市民一人あたりの経費は2倍になる。

記者A 富山市のようにLRT(次世代型路面電車)などの公共交通を整備して中心市街地の再開発を進め、補助金を出して散らばった人口を居住推進地区に集める手法を参考にしたいが、広大な面積の中山間地をかかえる上越市で同じことができるかどうか。あるいは別の手法が必要かもしれない。

キャッシュレス時代は来るか

記者B 10月の消費増税に伴う国のポイント還元制度もあり、上越地域でもキャッシュレス決済が随分普及してきた。店はまだ限られるが、現金を忘れても買い物や食事に困ることがなくなった。中国や韓国のように、朝市の露店でも使えるようになるには何年もかかるだろう。

記者A 井上ひさし氏が農業問題について論評した『遅れたものが勝ちになる』という著書があるが、それと同じことが起きた。ATMが少なく、偽札が多い国でも、スマホが使えればキャッシュレス社会へ一足飛びだ。

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記者A 9月に新潟市中央区で無人&キャッシュレスの書店がオープンするなど、新しいトレンドになってきた。

記者B 中国では自動車のETC(自動料金収受システム)の普及を進めているけれど、まだスマホ決済の人が多く、料金所で渋滞している。ETCは2秒で決済できるが、スマホ決済では15秒ほどかかり、渋滞の原因になっている。

記者C QRコードやバーコードを読み取る方式のスマホ決済は、たしかに面倒で時間がかかる。首都圏などでSuicaを日常的に使っていた人は、技術が逆行している感じがするという。

記者A 日本ではSuicaなどの非接触ICカード方式の「FeliCa」という素晴らしい技術を持っているのだから、国策として配っておけば良かった。金融機関が反対しただろうけれど。

記者B 今後は顔認証決済や人体へのマイクロチップ埋め込みなどへ進むと思われるけれど、個人情報保護をどうするか。法整備が追いつかない日本の状況では、一党独裁の中国が先頭を突っ走るのは間違いない。

第2回につづく


注1)記事を公開後、1980年代後半に上越市土橋の「イヅモヤ・ジャスコ高田店」(今の市民プラザ)に入っていたのは、ジャスコのプライベートブランド「シンプルリッチ」だったのではないかという指摘があり、調査中です。情報をお寄せください。info@joetsutj.com