専門外だけど絶品! すし店と天ぷら店で食べられる限定ラーメン

すし店でラーメンを食べる人が多かったり、天ぷら店で多くの人がラーメンをすする光景は、ちょっと不思議かもしれない。いずれの店もラーメンは専門外だが、その味は絶品でラーメン通をもうならせる。

「富寿し南本町店」(上越市南本町2)でしか食べられないラーメンと、「天ぷら五郎」(上越市寺町2)の木曜昼限定ラーメンを紹介する。

富寿し南本町店限定の「ラーメンセット」

県内外、海外合わせて25店舗を展開している「富寿し」(本社・新潟県上越市)の中で、唯一ラーメンがメニューにある店が南本町店である。

富寿しの「ラーメンセット」(800円)
富寿し1

単品の「ラーメン」(600円・税別)もあるが、ランチメニューの「ラーメンセット」は握りずしセット(800円)、ちらしずしセット(900円)が選べ、人気が高い。いずれもサラダ付き。平日だけではなく、土日曜もやっているのがうれしい。

ラーメンは1967年(昭和42年)3月、創業の地である南本町3に開店した「南本町店」の人気メニュー。宮崎富夫副社長は「駅から離れた南部地域で営業するには、すしだけでは弱い。ファミリーニーズをつかむために、中華料理専門の職人がいた」と話す。

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南本町店は1987年(昭和62年)3月、南本町2の現地に移転した。ラーメンをはじめとする中華料理は一定のニーズがあり、移転後も引き継がれた。現在も料理レシピが受け継がれており、チャーハン、ギョーザなどの中華料理がそろっている。高橋和行店長は「あっさりしたしょうゆ味のラーメンがすしに合い、値段も手頃なのが人気なのではないか」と話す。

スープはあっさりしたしょうゆ味だが、鶏がら、豚のゲンコツ、煮干しを使っているため、コクは深い。やや太めの麺は近くの南本町3に本社がある石倉製麺所に特注している。具は自家製チャーシュー、メンマ、ワカメ、かまぼこ(ナルトではない)、ネギの5種類で、彩りが美しい。

富寿し南本町店
所在地 上越市南本町2-8-51
営業時間 11:00~14:00、17:00~21:30
電話 025-524-6136
定休日 正月以外無休

木曜昼限定「天ぷら五郎」の絶品ラーメン

ほどよく脂が浮き、黄金色に輝くスープ。魚介と豚骨が醸し出す深い味わいと香りが食欲を誘う。天ぷら店「天ぷら五郎」が、毎週木曜の昼限定で提供しているラーメンが人気だ。

天ぷら五郎のラーメン(600円)
2018-05-31 天ぷら五郎1-1

1975年(昭和50年)2月、高田駅から近い線路沿いに開店した天ぷら料理店。店主の名前は “五郎さん” かと思ったら、修行した料亭で代々引き継がれていた呼称だという。店主の今井勝治さん(73)と、妻のシノブさん(72)の2人で切り盛りしている小さな店だ。

天ぷら店でなぜラーメンを出しているのだろう。ラーメン好きの勝治さんが20年以上前、まかない食として作ったのが始まり。隠れメニューとして常連客に出したところ「幻のラーメン」として評判になった。

10年ほど前に木曜限定でランチに出したら、口コミで評判が広がった。今ではほとんどの人がラーメン(600円・税込)かチャーシューメン(700円)を注文する。天ぷらが本業だけに「いいような悪いようなもんだね」。

カウンターに座ると、目の前の大鍋でスープがぐつぐつ煮えている。豚骨と煮干しが主体で、昆布やショウガなどが隠し味に使われている。鍋の表面に浮いているのは背脂だ。スープに臭みがないのは「スープが濁らないよう、前日から弱火で長時間煮込んでいるから。火の入れ方がコツ」と話す。チャーシューは肩ロースを使った自家製。肉のうまみがしみ込んでいて味わい深い。

薄口しょうゆを使った塩ダレも手作り。麺は嶺村製麺所(妙高市)の中太麺を使っており、スープとの相性が抜群だ。ラーメンにはサラダが付くのもうれしい。もちろん、ドレッシングは手作り。

天ぷら五郎
所在地 上越市寺町2-2-2
営業時間 11:30~13:30(日曜、祝日は休み)
17:00~22:00
ラーメンは木曜昼限定
電話 025-525-4656
定休日 不定休