新潟県上越市柿崎区の農家が栽培したイチゴ「越後姫」を使ったリキュール「上越柿崎産 越後姫ものがたり」がこのほど完成し、同市春日新田1の酒店「まいどや」(杉田彰店主)で数量限定販売されている。イチゴの甘い香りを楽しめるほか、果肉を残したとろりとした食感のリキュールで、同店は「柿崎区の名産品となり、まちおこしにもなれば」と期待を寄せている。
リキュールに使用したイチゴは同区坂田新田にある渡辺農園の渡辺健史さん(36)と妻の未来さん(36)が栽培。まいどやは「わくわくする酒店」をコンセプトに、これまでもオリジナル商品開発に力を入れており、過去には渡辺さん夫妻のイチゴを使ったバレンタイン向け商品も販売。その縁などからリキュール製造に向け、渡辺さん夫妻に声を掛けた。
健史さんによると、リキュールに使用されたイチゴは今年春に収穫した。ハウス内では化学農薬を使用せず、温度や湿度、日射量、CO2濃度などを管理する環境センサーを導入するなど栽培法にもこだわり、収穫されたイチゴは「果肉が柔らかく、ジューシーで甘い」と健史さん。
リキュールは茨城県の「ウーマラボ」で製造され、試作が何度も繰り返された。イチゴは加熱せず、そのまま搾汁する方法「コールドプレス」を採用した。つぶしたままのイチゴを瓶詰めしているため、「越後姫本来の美味しさを楽しめる」と杉田店主。着色料や保存料、人工甘味料の使用も最小限に抑えた。
健史さんは「(イチゴが)こういう形で商品になるのはうれしいですね」と言い、リキュールを味わった未来さんは「イチゴの食感があっておいしいです」と完成を喜んだ。
杉田店主は「果物はお酒にすることでそのものの美味しさを一年中楽しめる。冷やしてからロックやミルク割りなどで味わうのがおすすめ。クリスマスも近いので、家族などで飲んでもらいたい」と話している。
300ml1400円。アルコール分5%。800本限定。
問い合わせはまいどや025-543-6727。