映画雑誌「キネマ旬報」はこのほど、2019年に公開された洋画と邦画の各ベストテンを発表した。このうち、新潟県上越市内の映画館2館で上映された映画は、日本映画6本、外国映画5本の計11本。前年の15本より4本少なく、上映率は55%だった。
1919年創刊という1世紀を超える歴史がある映画雑誌「キネマ旬報」の映画賞とベストテンは、国内では最も権威がある。上越地域でどんな映画が上映され、見られているかをベストテンと比較することにより、おおよその文化度が見えてくるのではないか。
地方での映画館経営が厳しさを増している中、上越市内では2館が上映を行っており、県都と比較しても非常に恵まれた環境にある。映画サークル「上越映画鑑賞会」も自主上映会を続けている。
2019年の日本映画は、アニメ「天気の子」が大ヒット。埼玉県を自虐的に描いた「翔んで埼玉」などのユニークな映画もあったが、総じて静かな人間ドラマがベストテンに入った。1位の『火口のふたり』はR18+のハードな作品で、上越では上映されなかった。6位の『さよならくちびる』は新潟市ロケのご当地映画なのにもかかわらず、上越では上映されなかった。
外国映画では、『ジョーカー』が作品内容だけではなく、興行収入も良く文句なしの1位。クエンティン・タランティーノ、マーティン・スコセッシ、クリント・イーストウッド、ケン・ローチなどのベテラン監督の作品が順当にベストテン入りした。『アイリッシュマン』『ROMA/ローマ』はNetflixで配信された作品。
文化映画1位の「i-新聞記者ドキュメント-」は、12月に高田世界館で上映された(3月に再上映)。
キネマ旬報ベスト・テン
日本映画ベスト・テン 上映率60%
- 『火口のふたり』
- 『半世界』(J-MAXで3〜4月、高田世界館で5月に上映)
- 『宮本から君へ』 (高田世界館で今年1月に上映)
- 『よこがお』
- 『蜜蜂と遠雷』 (J-MAXで10〜11月に上映)
- 『さよならくちびる』
- 『ひとよ』 (J-MAXで11月に上映)
- 『愛がなんだ』 (J-MAXで6月に上映)
- 『嵐電』
- 『旅のおわり世界のはじまり』(高田世界館で7〜8月に上映)
外国映画ベスト・テン 上映率50%
- 『ジョーカー』 (J-MAXで10〜12月に上映)
- 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』 (J-MAXで8〜9月に上映)
- 『アイリッシュマン』
- 『運び屋』 (J-MAXで4〜5月に上映)
- 『グリーンブック』 (J-MAXで3月、高田世界館で7月に上映)
- 『家族を想うとき』 (J-MAXで今年1月に上映)
- 『COLD WAR あの歌、2つの心』
- 『ROMA/ローマ』
- 『象は静かに座っている』
- 『バーニング 劇場版』
過去の上映率
- 2018年 日本映画90% 外国映画60% ⇒ 総合75%
https://www.joetsutj.com/articles/44806048 - 2017年 日本映画60% 外国映画70% ⇒ 総合65%
https://www.joetsutj.com/articles/53868954 - 2016年 日本映画90% 外国映画80% ⇒ 総合85%
https://www.joetsutj.com/articles/10886128 - 2015年 日本映画70% 外国映画40% ⇒ 総合55%
https://www.joetsutj.com/articles/81541107 - 2014年 日本映画30% 外国映画10% ⇒ 総合20%
https://www.joetsutj.com/articles/52116015 - 2013年 日本映画40% 外国映画30% ⇒ 総合35%
http://www.joetsutj.com/articles/52067744 - 2012年 日本映画40% 外国映画30% ⇒ 総合35%
http://www.joetsutj.com/articles/52014423 - 2011年 日本映画40% 外国映画50% ⇒ 総合45%
http://www.joetsutj.com/articles/51850425 - 2010年 日本映画40% 外国映画30% ⇒ 総合35%
http://www.joetsutj.com/articles/51715248 - 2009年 日本映画50% 外国映画40% ⇒ 総合45%
http://www.joetsutj.com/articles/51693191