キネ旬ベストテンにみる上越の文化度は?

20110115deardoc


◇上越での日本映画の上映率は50%、外国映画は40%◇

最も伝統と権威がある日本の映画専門誌「キネマ旬報」の 2009年ベストテンと個人賞がこのほど発表された。このうち上越市内で上映された映画は日本映画が5本(50%)、外国映画が4本(40%)だった。2008年は日本映画が3本(30%)、外国映画が0本(0%)だったことと比べると、大幅に増えた。

日本映画のベストテンは次の通り。

【日本映画】〈1〉ディア・ドクター〈2〉ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~〈3〉劔(つるぎ)岳 点の記〈4〉愛のむきだし〈5〉沈まぬ太陽〈6〉空気人形〈7〉ウルトラミラクルラブストーリー〈8〉サマーウォーズ〈9〉誰も守ってくれない〈10〉風が強く吹いている

このうち、1位の「ディア・ドクター」は上越映画鑑賞会の例会で10月3、4日に上映された。以下はすべてJ-MAXシアターで上映されたもので、3位の「剣岳…」は6月20日~8月21日に上映。5位の「沈まぬ太陽」は10月24日~今年1月8日までのロングラン上映。9位の「誰も守ってくれない」は1 月24日~3月13日まで。10位の「風が強く…」は10月31日~12月11日まで上映している。

外国映画のベストテンは次の通り。

【外国映画】〈1〉グラン・トリノ〈2〉母なる証明〈3〉チェンジリング〈4〉チェイサー〈5〉レスラー〈6〉愛を読むひと〈7〉アンナと過ごした4日間〈8〉戦場でワルツを、スラムドッグ$ミリオネア〈10〉イングロリアス・バスターズ

このうち、1位と3位はクリント・イーストウッド監督の作品。「グラン・トリノ」は4月25日~6月5日に上映。「チェンジリング」は1月20日~4月3 日に上映した。8位の「スラムドッグ…」は5月30日~6月26日。10位の「イングロリアス…」は11月20日~12月22日まで上映している。

なお、個人賞は次の通り。

【個人賞】▽日本映画監督賞=木村大作(「劔岳 点の記」)▽同脚本賞=西川美和(「ディア・ドクター)▽主演男優賞=笑福亭鶴瓶(同)▽同女優賞=松たか子(「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」)▽助演男優賞=三浦友和(「沈まぬ太陽」)▽同女優賞=満島ひかり(「愛のむきだし」ほか)▽新人男優賞=西島隆弘(「愛のむきだし」)▽外国映画監督賞=クリント・イーストウッド(「グラン・トリノ」ほか)

質の良い映画が上映されることは地域の文化度示す。製作費をかけ大々的に宣伝する映画だけでなく、地味であっても質の良い映画を観られる環境にあることは、地域の文化度を示す一つの基準になる。

上越地域で営業している映画館は富岡のJ-MAXシアター1館だけ。商業映画館であるから、採算に合わない映画を上映できるはずもない。それをカバーするのが市民による自主上映。上越市には映画サークルの上越映画鑑賞会がある。年5回の例会を行っており、会員以外も鑑賞できる。

上映会場としてこれまで旧高田日活をたびたび使用しており、昨年4月に高田世界館となってからは例会会場として定着した。

同会の増村俊一会長は「今後は高田世界館で、鑑賞会の中の有志によるサークル上映会のようなものをできるだけやりたい」と話す。

しかし、ネックは「配給の問題と、フィルム代」。2日間程度の上映会では難しく、「最低2週間上映してほしい」と言われることも多いという。赤字を出さない仕組みがないと、長続きはしない。

増村会長は「これは上越だけではなく、全国的な問題。都会と地方の格差はますます広がっていく」と話している。

(川村)