直江津SC内にデリカテッセン「ひびの食卓」オープン 若手料理人応援のチャレンジキッチン

野菜を中心に、新潟県上越地域の旬食材を生かした総菜を提供するデリカテッセン「ひびの食卓」が2024年2月20日、直江津ショッピングセンターエルマール1階フードコートにオープンした。食卓を彩る約10種の総菜がショーケースに並ぶほか、栄養バランスを考えたランチボックスなども販売する。

2月20日にプレオープンした「ひびの食卓」(右は料理人の小柳さん)

地元で将来、「自分の飲食店を持ちたい」と夢見る若手料理人が料理を提供する「チャレンジキッチン」と位置付け、エルマールを運営管理する「マルケーエスシー開発」が手掛けた。上越ではまだ珍しい営業スタイルで、担当者は「店を開くには費用面での負担が大きく、開業は思った以上にハードルが高い。すぐに営業できるステージを提供することで、(料理人は)資金を気にせずに腕を磨き、開店資金を貯めることができる。ファンを獲得して店を開くことにつながれば」。県の新事業チャレンジ補助金も活用した。料理人は約1年間を目安に営業する。

総菜の一部。山本味噌のみそを使ったソースで味わうグリルチキンや柿の種を衣に使ったカツレツ

今回、開業に向けて腕を磨くのは同市出身の小柳太祐さん(38)。調理の専門学校を卒業後、関東を中心に各地でフレンチ、イタリアンレストランでシェフとして働いたり、飲食店の立ち上げに携わったりしてきた。地元上越での開業に向けてUターン後、同事業の趣旨に賛同し参加したという。

同店では上越地域で収穫された野菜など、色とりどりの素材を使ったバーニャカウダといった、新鮮野菜をたっぷり使ったメニューが多い。隠し味などは基本使わずに、シンプルな味付けを心掛け、素材そのもののおいしさを最大限に引き出すという。

各メニューに使われるたっぷりの野菜

野菜以外では、グリルチキンはソースに地元山本味噌醸造場の「雪ん子みそ」を、ミラノ風カツレツは衣に「柿の種」を使うなど、地元素材や県内の食材を要所要所に取り入れた。

小柳さんは「上越妙高の農家さんの野菜はえぐみもなくとてもおいしい。ヘルシーでライトな洋食を提供したい。なるべく地域の食材を使って地元に根ざした味を提供できれば」と話すほか、「おいしいものを食べると幸せな気持ちになる。記念日や自分へのご褒美など、特別な日の食卓に並べてもらえれば」。

彩り豊かなコブサラダ

オープン初日となった20日、ショーケースには「4種の大根サラダ」(540円)、「スモークポテトサラダ」(同)、「ローストポークと人参のロースト」(972円)、「根菜のチリコンカン」(756円)などのほか、ランチボックス「本日のまかないランチBOX」(770円)などが並んだ。開店の午前11時を過ぎると、買い物客らが続々と訪れ、好みの総菜を購入していた。

この日の「本日のまかないランチBOX」は山本味噌を使った特製ソースのよだれ鶏

マルケーエスシー開発の小股郁子販売促進営業係長(59)によるとデパ地下のデリカテッセンをイメージし、他店との差別化、特別感を出すため、価格設定は“やや高め”という。「野菜を食べたいという声も多く、健康を意識した野菜メニューも並ぶ。味のおいしさだけではなく、見た目にもこだわる。非日常感も味わっていただけると思う」と話した。

現在はプレオープン期間中で、利用客の声が今後、味付けや価格などメニューに反映されるという。グランドオープンは4月1日の予定。

午前11時〜午後6時。定休日は毎週火曜、毎月第2、第4水曜。商品は売り切れ次第終了。