元小学校長が高田駅前でホットサンド販売 定年後に一念発起しキッチンカーで出店

新潟県上越市のえちごトキめき鉄道高田駅の駅前ロータリー付近に2022年9月から、ホットサンドを提供するキッチンカーが登場した。出店したのは、元小学校校長で妙高市末広町の湯浅昭司さん(60)。駅を利用する高校生などの空腹を満たそうと、定年後に一念発起し、畑違いの飲食販売業に挑戦している。

教員を定年退職後、高田駅前でキッチンカーでホットサンドを販売する湯浅さん

キッチンカーで販売しているのはベーコン・チーズ、たまご、ツナ、つぶあんバター、コロッケ、ハムカツのホットサンド6種類。注文を受けてから8枚切り食パンに具材をはさみ、ホットサンドメーカーを使ってカセットコンロで焼き、焼きたてを専用の袋に入れて提供している。1個200円。

ホットサンドは(左から)コロッケ、ベーコン・チーズ、つぶあんバターなど6種類

湯浅さんは今年3月、妙高市立妙高高原南小の校長を最後に定年を迎えた。定年後は再任用で学校現場に残り後進の指導や、教育関連の職に就くなどの選択肢もあったが、約40年携わった“教育”とは別の道を選んだ。

「学校という場で長年子どもたちを育んできたが、定年後は教育から離れて子どもに関わる社会貢献をしたい。未来ある若者においしいものを手頃な価格で提供できたらと、1年ほど前から考えていた」と湯浅さん。キャンプが趣味で、自分の子どもたちに“キャンプ飯”のホットサンドが好評だったことから、キッチンカーで販売することにした。

商売は初めてで、経験を積もうと5月から高田の朝市や直江津屋台会館前、イベントなどに出店。「朝市の皆さんは商売上手で本当に勉強になった」(湯浅さん)。子どもたちの近くで常時出店できる場所を探して高田駅を訪れたところ、ロータリーの雁木下の歩道脇にキッチンカー1台分のスペースを見つけ、えちごトキめき鉄道に話を持ちかけた。

出店場所は高田駅前の「駅前ラーメン」隣り

湯浅さんは「『高校生の頃、高田駅でホットサンド食べたなぁ』なんて、思い出の味になれれば。毎日声をかけてくれる“ホットサンドのおじさん”として話し相手にもなりたいと思っているので、儲けは度外視でしぶとく続けていきたい」と話している。

出店時間は平日の午後3時から午後6時頃まで。7日までオープン記念で1個150円で販売している。

▽「キッチンカーHARUKANA」インスタグラム 「harukana_since2022

出店場所