新水族館「経営成り立つ」 有識者検討委報告書

新潟県上越市の新水族博物館の整備に向けた有識者による検討委員会が、集客見通しや事業収支、整備運営手法などをまとめた報告書が2013年1月25日、市議会総務常任委員会に示された。経営面からの実現可能性について検討してきたもので、報告書は「十分に経営が成り立つ」と結論付けている。市は新年度、報告書を元に建設に向けてさらなる検討を進める。

現在同市西本町4にある水族博物館は1980年の建築で老朽化が進んでいる。市は庁内検討の結果として2011年に、新水族館整備の必要を認める報告書をまとめた。これを受けて昨年7月に有名水族館の経営者や館長、経済学などを専門とする大学教授、観光事業者ら専門家による検討委を設置し、経営面からの検討を進めてきた。

このほど取りまとめられた報告書は、開館初年度の集客を約60万人を見込んでおり、開館20年間の予測は平均37万人としている。施設建設費63億円の投資に対する経済波及効果は初年度で77億円から79億円と予測している。

民間ノウハウを生かすための手法として、市による新水族博物館基本計画策定後、設計の前に新水族館を運営する民間の指定管理者を決め、市とともに指定管理者が設計や施工について提案できるようにする整備運営手法を打ち出した。全国的にこの整備運営方式を取り入れている水族館はなく「上越方式」としている。また現在夏季限定で行われているイルカショーを8か月から通年での開催を提案している。

今回の検討の前提条件として、北陸新幹線開業の数年後にオープンを想定しているが、建設が正式決定しているわけではなく、新年度に向けて市が判断する見通しだ。

1月25日の市議会総務委員会=写真=では、景気低迷が長引く中、収支見通しなどを厳しくチェックする議員が多かったが、直江津地区の活性化や地域経済への波及効果などに期待する意見が多かった。

市議会総務委員会

↓報告書の全文や会議録は上越市の下記のホームページで公開されている。
http://www.city.joetsu.niigata.jp/soshiki/kikaku/yuusikisya.html

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