上杉おもてなし武将隊が一時借金のカタに

新潟県上越市から委託を受けて「越後上越上杉おもてなし武将隊」を運営していた市内のIT関連会社「オージャス」(上越市北城町3、中谷内美昭社長)が、借金のトラブルにより、武将隊運営と委託料を受け取る権利を東京都内の業者に移転し、市から契約を打ち切られていたことが、2011年11月18日までに明らかになった。その後は上越観光コンベンション協会が運営している。今回のトラブルは、社長個人の連帯保証債務の履行に会社の財産を充てたことが大きな原因の一つとみられる。

越後上越上杉おもてなし武将隊
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武将隊は県の緊急雇用創出事業でもあり、市が契約を打ち切った10月までの委託料は約2200万円。市によると今年9月、東京都内の業者から武将隊の運営権を得たという連絡が突然あり、オージャスが業者に権利を譲渡していたことが判明。市は権利移転を禁じた契約に反するとして契約を解除した。

オージャスは、ホームページ製作やシステム開発を手がけるIT関連企業で、「上越地域の総合ポータルサイト 0255.net」も運営している。イベント企画の実績もあるという。

今回の件について中谷内社長は「お世話になった先輩の借金の連帯保証人になり、業者からオージャスの所有していた数社への請求書の提示を求められ、取られてしまった。その中に武将隊の委託料も含まれていた」と説明している。中谷内社長は「権利を渡すつもりはなかった」としており、オージャスは、債権譲渡の無効を求めて東京地裁に提訴しており、このほど初公判が開かれたという。

ただ、今回のケースは社長個人の連帯保証債務を会社の財産で履行したことになり、中谷内社長は「その点については落ち度があった。今回の件は、市民のみなさんにも武将隊にも大変申し訳ない」と話している。

今回のトラブルで、武将隊ら14人への給与の支払いが一時滞ったが、11月18日までに全額支払われている。

武将隊の本年度の活動は11月27日を最後に終了する。来年度については未定で、ファンで作る「城友隊」が18日、存続を求めて上越市長あての要望書を提出している。市観光振興課は「人気も徐々に上がってきていて、いろいろな方に盛り上げていただいたのに、今回は思わぬイメージダウンで本当に残念」と話している。

↓オージャスが運営する「上越地域の総合ポータルサイト0255.net
http://0255.net/

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