渇水で天水田に被害、平場も品質低下の恐れ

上越地方では梅雨明け以降、気温が高く降水量が非常に少ない状況が続いており、上越地方の中山間地では水不足による水稲被害が発生している。今後もしばらく高温が続くため、平場の水田でも収穫適期の判断やもみの乾燥方法を誤ると品質低下が起きる可能性があることから、2010年9月3日、上越地域の行政や農業関係者が集まり、緊急の渇水対策会議を開いた。

3日に開かれた「上越地域高温及び渇水対策会議」
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9月3日現在の上越市の被害は、中山間地の天水田を中心に、圃場のひび割れ、稲が枯れるなどの状況が発生している。最も被害面積が大きいのは牧区で約33ha、次いで大島区が約17ha、板倉区約7ha、浦川原区約7haなどで、計79haとなっている。妙高市では新井南部地域の天水田で圃場が乾いている所があるものの、被害が出るまでには至っていない。

県農林振興部生産振興課の伊藤浩一課長は「稲が枯れたり、倒伏しているところもあるが、ポンプを持ち込んでも、かける水がない状況で特に対策はない」と話す。

一方、灌漑用水を持つ平場では、笹ケ峰ダムからは6日まで、野尻湖からは10日まで取水が可能なため、水不足はぎりぎり避けられる見込みだ。

しかし、登熟期後半が高温となり籾水分が低下しているため、胴割れ粒が発生するおそれが出ている。高温続きのため収穫適期が早まっていることから、上越農業普及センターでは、籾の黄化状況を見極めて適期に収穫するよう呼びかけている。

また、収穫後の作業では、急激な乾燥や、玄米仕上げ水分が14.5%以下の過乾燥にすると、食味が低下するだけではなく、胴割れ粒が増加し等級低下などのおそれがあるため、注意を呼びかけている。