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回顧2016年 上越タウンジャーナル記者トーク(2)

3か月前

今年1年を振り返る記者トークの前日からの続きです。(記事中で色の変わった文字をクリックすると、その記事が別ウインドウで開きます)

民意とのずれ

川村 今年はトランプ米大統領の誕生やイギリスのEU離脱など、何かと社会の「分断」や民意の多様さなど感じるニュースが多かった。ここ上越でも、いわゆる民意というものと、民意を代表しているはずの議会の意思や行政の感覚がずれることついて考えさせられた。

江口 上越市が購入の方針を表明した国宝の太刀「山鳥毛」については、上越タウンジャーナルが実施したアンケートでは上越市民の約47%が購入に反対だった。しかし、市議会では購入に向けた準備のための補正予算に反対した議員は32人中4人。こうした結果は考えさせられる。今後、市民有志によるフォーラムも予定されていて、その動きにも注目したい。

太刀購入についていくら寄付するか聞いたアンケート結果(上越タウンジャーナルが8、9月に実施)
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川村 民意ということではないが、12月に入って明らかになった上越市の指定ごみ袋の欠陥問題では、行政担当者の感覚のずれに驚いた。7月に分かっていたのに12月になるまで一切公表もせず、ずっと売り続けるというのは、普通の感覚では考えられない。

江口 市生活環境課長への取材で「10月には問題は収束すると思っていた」と説明されたときは耳を疑った。欠陥を公表しないまま、袋を市民に購入させることで店頭から一掃し問題を収束させようという考えだ。今時こんなことを平然と言う人がいるのかと驚いた。この件が市長に報告されたのは11月になってからというから、ある意味市長にも同情してましう。

川村 年末になって高田地区の中学校で窃盗被害があり、盗品がスマホアプリの「メルカリ」に出品される事件があった。少し昔なら、仮に中学生が万引きしたとしても盗品を換金する手段はなかったが、ネットとスマホの普及により中学生でもスマホがあれば何でも金にできる時代になった。

江口 この件についても学校側の対応は疑問だった。教頭に取材したのだが、会って話を聞きたいといくら要請しても、会おうとしない上、電話も一方的に切る。取材に応じない理由を何度も問うと「強要だ」と暴言を吐くなど、学校という職場で管理職をやっている人物とは思えないひどい対応だった。

川村 ずれているにもほどがある。

江口 また、盗難と転売を訴えた生徒のSNSの投稿は、単に被害の事実を訴えているだけだった。これに対してこの教頭は「SNSの不適切使用だ」という見解を示していて、これではまるで被害を申告した方が悪いといわんばかりで、何か根本的な部分を勘違いしているのではないかと感じた。

川村 民意というわけではないが、6月のイギリスのEU離脱のニュースに便乗して、「上越市は新潟県に残留? 離脱?」という半分冗談のようなアンケートをやったら、4000人以上が投票してくれた。太刀購入のアンケートでも約3000人が投票している。何回か実施しているサイト上でのアンケートは一定程度、民意の傾向を推し量ることのできるボリュームになってきた。

江口 アンケートと言えば、上越市議会9月定例会では、橋爪法一議員が市に対してウェブアンケートの導入を求めた。民意の把握の手段一つとして導入している他市の例を挙げて求めたが、市の回答は「インターネットユーザーからの回答に限られ、モニターに偏りが生ずる可能性がある」として導入に否定的だった。民意の把握にはいろいろなチャンネルがあった方がいいと思うのだけれど。

(第3回につづく)

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