パートナーシップ制度求め6110人分の署名集める 市民団体が上越市に提出

性的少数者のカップルを婚姻と同等の関係として認める「パートナーシップ制度」について、市民団体が2023年8月28日、新潟県上越市の中川幹太市長に制度導入を求める要望書と6110人分の署名を提出した。中川市長は6月の定例市議会で本年度内の制度導入を表明しており、「前向きに進めている」と話した。

中川市長(右)に6110人分の署名を順番に手渡す会のメンバー

市民団体「上越市にパートナーシップ制度を求める会」(阿部和子代表)は、男女共同参画などに取り組む市内の5団体と個人が3月に設立。署名は4月から5、6回ほど市内の公共施設に赴くなどして今月までに上越市民3780人を含む6110人分を集めた。

この日は会のメンバー8人が市役所を訪れ、要望書と署名を中川市長に手渡した。要望書では制度導入のほか、補足事項として、カップルの家族も含めて権利を保証する「ファミリーシップ制度」の導入や、制度設計にあたり当事者や専門家を入れた委員会を設置することなどを求めた。

署名活動のことなどを話す阿部代表(左)

会のメンバーは署名活動中に怒鳴られることもあったといい、「こんな雰囲気では当事者は声を上げられない」「市でも啓発活動に力を入れてほしい」と声が上がると、中川市長は「この動きは世界の流れなので、啓発活動は力強くやっていきたい」と話した。

面会後、阿部代表(84)は制度導入に向けてスケジュールなど具体的な話が市長から出なかったことに「ちょっとまだ不安はある」と吐露。制度が導入され利用されるためには「カミングアウトなどが気軽にできる雰囲気作りが大事で、それには皆さんからもっと理解をしてもらわないと。お互いを尊重できる世の中にしないといけない」と語った。