上越市に「パートナーシップ制度」導入求め市民団体が署名活動開始

新潟県上越市の市民団体が2023年4月16日、LGBTQ(性的少数者)のカップルを婚姻と同等の関係として公的に認める「パートナーシップ制度」導入を求める署名活動を始めた。7月末まで署名を集め、8月に上越市に提出する予定。

パートナーシップ制度導入を求める署名を呼び掛ける阿部代表

同制度は、戸籍上は同性のカップルを公的に認めることで、公営住宅に家族として入居できたり、入院時に家族として説明を受けたりできるようになる。また制度の導入で、生命保険の受け取り人への指定やクレジットカードの家族カード作成、携帯電話の家族割の適用など、民間のサービスも家族と同等に扱われることも期待されている。

4月16日現在、全国では12都府県272自治体が、県内では新潟、三条、長岡の3市が導入している。県は本年度、制度導入や性の多様性に関する県民の意識調査の実施を予定している。

上越市で署名活動を始めたのは、男女共同参画などに取り組む市内の5団体と個人で3月に設立した「上越市にパートナーシップ制度を求める会」(阿部和子代表)。市民に限らず、同市への制度導入に賛同する人に広く呼び掛け、7月末までに1万人の署名を集めることを目標に掲げる。

この日、同市土橋の市民プラザで開かれた集会には、構成団体の会員や市民など約50人が参加。市内在住の当事者からの「上越が好きで上越に居たいと思っていても、安心して一生を共にすることが難しい」というメッセージが披露された。阿部代表は「国会審議や国の政策が消極的なため、急速に全国の自治体で制度導入が進んでいる。上越地域の中心である上越市にパートナーシップ制度を導入することで、糸魚川や妙高にも影響し広がっていってほしい」と述べた。

パートナーと講演する羽賀さん(右)

また体と心の性が一致しないトランスジェンダーで、2022年9月に導入された三条市のパートナーシップ制度第1号となった羽賀風真さん(28)が講演した。2021年にLGBTs啓発活動団体「PRIDE LINK(プライドリンク)」を設立した羽賀さんは、啓発や署名活動を展開し、同市への制度導入を実現した。

羽賀さんは「私たちの団体のLGBTsの“s”にはトランスジェンダーにくくられない性別や異性愛も含まれていて、世の中にLGBTsでない人はいないと思う。いずれLGBTという言葉がなくなって、一人の人間として生活できる日々を作り上げていきたい」と話した。

署名活動に関する問い合わせは阿部代表(090-5495-9524imaizumi@joetsu.ne.jp)。

署名活動のちらし