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150年の歴史「谷乃井酒造」が廃業 板倉区の酒造場ゼロに

5年前

清酒「谷乃井」や「男の酒」で知られ、約150年の歴史を持つ上越市板倉区曽根田の蔵元「谷乃井酒造」が2014年9月末で廃業した。

すでに酒造りをしていない谷乃井酒造の酒造場
谷乃井の醸造場S

山崎慎治社長によると「明治初期の創業」。酒は、自慢の井戸水と五百万石、山田錦などの酒米を使い、淡麗辛口のすっきりした飲み口が特徴。中でも1981年(昭和56年)に発売した「男の酒」は、旨味を削り、スカッとした辛口が人気を集めた。

清酒「谷乃井」(上越市三和区の「米と酒の謎蔵」)
谷乃井S

酒造りだけではなく、問屋や小売店に対しても「気のあった人にしか売らない」というほど頑固な商売をしてきた。小さな蔵元ながら、地元を中心に愛飲されてきたが、日本酒離れや人口の減少などで販売不振になっていた。

酒の仕込みは昨年末で終了し、今年は瓶詰めと出荷作業だけを行ってきた。今月上旬に最後の出荷をしており、上越地域の酒店では、ほとんど売り切れ状態。

山崎社長は「長くやってきたので、静かにやめたい」と話していた。

板倉区にはほかに、明治元年創業の「加茂乃井酒造」があったが、2000年(平成12年)に食材卸会社へ経営権を譲渡した。その後「泉流酒造塾」が醸造を続けていたが、2010年ごろ廃場した。このため、板倉区の酒造場は消滅した。

谷乃井酒造の廃業で、上越市の酒造場は12になった。