大雨対応で「不手際があった」と上越市が陳謝

2011年7月30日の新潟・福島豪雨で、上越市の市民に対する避難情報の周知や伝達が遅れたことなどに関し、市の馬場和明危機管理監は8月15日に開かれた市議会総務常任委員協議会で「市民の安全を確保する上であってはならない不手際があった。心からおわび申し上げる」と陳謝した。

「不手際だった」と頭を下げる馬場危機管理監(右から2人目)
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 今回の豪雨では、保倉川や柿崎川などで氾濫危険水位を超え、市民1万8609人に一時避難勧告が発令された。だが市が市民に知らせるまで約1時間かかったほか、災害時に緊急情報を伝える「安全メール」の運用を忘れるなど、市民への情報提供は極めてずさんだった。またこの日の協議会では避難所の一部が開設されなかったことなども明らかになった。

協議会の冒頭、馬場危機管理監は「事前な準備が十分でなく対応に遅れが生じたことや、水害に対する危険性の認識が十分とは言えなかったことを心から反省し、今後このようなことが無いよう対応を徹底する」と頭を下げた。また大雨災害警戒対策本部の本部長を務めた稲荷善之副市長は「市民の期待に添える形にならなかったことは反省したい。3月の地震(東日本大震災)の後、職員の地震への対応は身についているが、水害に関しては7・11水害(1995年)からかなり期間が経過しており、若干危機感が足りなかった」と釈明した。

市議からは「おわびでは片付けられない。災害に対する認識が甘い」などの批判が出た。また市は対策として、防災計画やマニュアルに基づいた対応や安全メール、ホームページの確実な運用などを示したが、市議からは「これまでもやってきたはず。それが今回どうしてできなかったのか。他人からはたるんでいるとしか見えない」との発言があった。

市は今後、三条市同様、携帯電話のエリアメールの使用や、13区の総合事務所を中心に職員の応援体制の構築などを検討していくという。

【2011年7月30日の大雨についての上越タウンジャーナルの記事】
「【検証・避難勧告】あきれた上越市の危機管理」(2011年8月1日)
「大雨情報リアルタイム更新ページ」(2011年7月30日の災害時に随時更新したページ)
「上越市による大雨被害まとめ」(2011年8月1日)
「7月の大雨で保倉川水位が観測史上2番目に」(2011年8月8日)