7月の大雨で保倉川水位が観測史上2番目に

7月30日の新潟・福島豪雨で、上越市の保倉川上流にある有島観測所(浦川原区)の水位が観測史上2番目の高さを記録したことが、国交省高田河川国道事務所のまとめで分かった。水位は1995年(平成7年)の7.11水害の際の水位まであと10cmに迫った。同事務所によると、今回の豪雨は保倉川の上流部に雨が集中したが、下流域の雨量が相対的に少なかったため、直江津地区などの保倉川下流域が7.11水害のときのような洪水にはならなかった。

国道8号、保倉川大橋付近(2011年7月30日)
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 この日の雨は中越地方を中心に激しく降り、上越地方では、中越に近く、保倉川上流域にあたる安塚区と大島区の観測所で24時間の雨量が140ミリを記録している。
国交省作成の資料参照から(クリックすると拡大します)
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この雨で、浦川原区の有島観測所では午前10時10分に4.13mの水位を記録した。7.11水害のときに記録した観測史上最高の4.23mまであと10cmに迫った。

同じ保倉川の下流部にある佐内観測所では、午後2時20分にピーク水位4.94mを記録し避難判断水位を超えた。ただ7.11水害の際のピーク水位6.23mより、1.29m低かった。下流域は上流域ほど降らず、飯田川や桑曽根川などの支川の水位で吸収され、結果的に大きな被害は出なかった。また関川、姫川流域でも目立った水位上昇は見られなかった。

上越市は保倉川流域を中心に6110世帯1万8609人に避難勧告を出した。同事務所調査第一課では「今回は同じ1本の川で、雨が上流域に集中し下流域にあまり降らなかった非常に特異的なケース。前線がもう少し南だったら下流域にもかなりの雨が降り、洪水になっていた可能性が高い」としている。

カラー写真満載で今回の大雨での保倉川の様子がよく分かる国交省高田国道事務所作成の資料↓
http://www.hrr.mlit.go.jp/takada/kouhou/kisya/h23/230805.pdf

河川などの情報を携帯電話で見ることができる「高田かわこくモバイル」↓
http://www.hrr.mlit.go.jp/takada/kawakokumobile.html

*2011年7月30日の大雨についての上越タウンジャーナルの記事
「【検証・避難勧告】あきれた上越市の危機管理」(2011年8月1日)
「大雨情報リアルタイム更新ページ」(2011年7月30日の災害時に随時更新したページ)
「上越市による大雨被害まとめ」(2011年8月1日)