「もう少し素敵な名前はなかったのか。どこの藪(やぶ)に行くのかと思う」――。上越市に来月、同市が設置する都市公園「やぶの川辺公園」がオープンするが、この「やぶの」という名称について4日に開かれた市議会建設企業委員会で疑問の声が相次いだ。
公園の場所は県立高田農業高校東側の矢代川と関川の間で、住所としては上越市東城町1。しかし上越市にはほかに藪野(やぶの)という地名がある。この日の委員会では、藪というイメージのほか、公園の場所と実際の藪野が違うため紛らわしいという意見が出た。
市の答弁によると、公園の設置された場所は江戸時代から「藪野」と呼ばれ、そこにいた人たちが移り住んだのが現在の藪野だという。公園周辺と現在の藪野の町内会などに意見を聞いた結果から、やぶの水辺公園という名称にしたという。
説明を聞いても「そこの住民がいいと言えばいいが、タクシーに乗って『やぶの』と言っても公園には着かない」「水辺プラザ公園でいいじゃないか」と納得の行かない様子の議員や、「地名の由来を書いた看板を設置したらどうか」という提案もあった。
公園は広さ約2.8ヘクタール。中心部約1ヘクタールは運動ができるクレイ系舗装の多目的広場があり、周りには植栽、ベンチが配置され、駐車場は61台分ある。防衛省の補助事業を使って約1億円で整備した。
この公園を含む周辺21.8ヘクタールは関川水辺プラザ整備事業用地として1999年に上越市土地開発公社が購入してる。その後市長の交代や財政難などで計画が進まず、今回のやぶの川辺公園以外の約19ヘクタールについては活用のめどがたっていない。