日本穀物検定協会が発表した2009年産米の食味ランキングで、上越産コシヒカリは最高ランクの「特A」を逃し、ひとつ下の「A」となった。
2009年産、県内のランキング結果
- 上越 コシヒカリ A
- 中越 コシヒカリ 特A
- 下越 コシヒカリ A
- 魚沼 コシヒカリ 特A
- 岩船 コシヒカリ 特A
- 佐渡 コシヒカリ 特A
- 全県 こしいぶき A
食味ランキングは複数産地コシヒカリのブレンド米を基準米として、同等のものを「A’」、基準米よりも特に良好なものを「特A」、良好なものを 「A」、やや劣るものを「B」、劣るものを「B’」と5段階で評価し、結果を毎年発表している。今回は125銘柄を対象に調査が行われ、最高の「特A」は20銘柄だった。
上越産コシは08年産が7年ぶりに特Aで、その前はA。
上越地域ではJAえちご上越が中心となり、高品質・良食味米生産の取り組みを強力に進めてきた。登熟期の高温障害を避けるため田植え時期を遅らせることを県内で先駆けて徹底したのをはじめ、2年前からは全生産者の作った米の成分分析を行い次の年の生産指導に生かしている。
高品質・良食味への取り組みを進めている上越産コシヒカリが、今回ひとつランクを落とした原因や事情についてJAえちご上越営農部に聞いてみた。
ランクの低下の原因は、これまでの取り組みや天候、営農指導などといった問題ではないという。
ランキングは、たんぱく質やアミロースなどの成分を科学的に分析する理化学試験と、炊飯した白飯を実際に試食して評価する食味官能試験で総合的に判定する。
同JAが日本穀物検定協会に問い合わせたところアミロース、たん白質などの理化学的な分析結果は、特Aと変わりなかった。人が炊いたご飯を食べて香りや、硬さなどを総合評価する食味試験でわずかの差が出たという。
同JAは「各産地とも『これぞ』とよりすぐった米を検定に出している。最終的には人が食べた感覚なのでこればかりはどうしようもない。ものすごく微妙な差だと受け止めている。実際に上越産米を買って食べれば味は特Aとまったくそん色ないはず」と話している。