回顧2020年 上越タウンジャーナル記者トーク(1)

2020年も残り少なくなりました。今年も「上越タウンジャーナル」をご愛読いただき、ありがとうございました。今年1年間、新潟県上越地域で起きたいろいろなニュースを取材記者が振り返り、エピソードを交えながらトークを繰り広げます。今日はその第1回です。

新型コロナの1年

記者A なんと言っても新型コロナ。世の中の価値観、生活すべてにわたってこれに振り回された1年だった。年明け1月からじわじわ来て、4月の全国の緊急事態宣言後は世の中が一変した。

記者B 上越市では4月7日に初の感染者が確認された。SNSなどで事実と異なる情報が拡散され、勤務先や家族への誹謗中傷などが相次いだ。感染者の会社関係者に取材したが、SNSに悪口や嘘を書かれたり、見ず知らずの人から電話で「出ていけ」などと罵倒されたり、怒りのやり場もなくぐったりしていた。

記者C 未知のウイルスに対する恐怖感がさまざまな形で現れたのだろうが、感染者の情報について知りたいという電話が編集部にも頻繁にかかってきたし、「新型コロナの人の濃厚接触者はどうなりなましたか。とにかく早く知りたくて」と言って直接訪ねて来る人には驚いた。

記者A 上越市が設置したコールセンターでは職員が個人情報を答えないと罵倒されることがたびたびあったという。恐怖が人間を変えたのか、人間の本性があらわになっただけなのかはわからない。いずれにしても当然のことだが新型コロナは病気なのでかかった人に罪はない。

上越市役所一時窓口閉鎖や上越総合病院も外来診療停止

記者A 上越市役所や上越総合病院でも職員や医師らが感染し、市役所では1階の窓口を閉鎖し、病院では数日間外来診療を停止した。

職員が感染した上越市役所では執務スペースを消毒し、一部の窓口を閉鎖(2020年11月23日)
IMG_1980

記者C 特に市役所の木田庁舎は職員数の割に執務スペースが狭い。控えめに見てもかなり「密」で、変な言い方になるがあの環境でクラスターにならなかったのはある意味運が良かったと思う。

記者A ガス水道局新庁舎が11月にできて、空いた建物が今後市役所の執務スペースになるので、今後だいぶましになると思うけど、それまでのがまんだね。

記者B 新型コロナ関係で記憶に残るのは1人10万円の特別定額給付金。これ、何に使った?

記者C もらえてうれしかったけど、何に使うともなくいつの間にかなくなった感じかな。全国的には振り込みが遅いなどいろいろトラブルもあった。

記者B とかく市民の批判の対象になる市役所だが、定額給付金については上越市の対応は素晴らしかった

記者A 申請書類の郵送を5月15日から始めて、同28日には8割の市民の口座に給付金が振り込まれた。同事前の情報収集から人員態勢も万全で、全国の自治体の中でも振り込みが早く総務省からその手法について問い合わせが来たほどだ。この対応はほめられていい。

高鳥さん国会議員初の感染

記者B 9月には新潟6区選出で自民党の高鳥修一衆議院議員が感染し、国会議員としては初の感染者となった。

記者A 折しも解散がささやかれる中である意味すごいタイミングだった。高鳥さんは総選挙では到底戦えないと「最初は隠したいと思った」と正直に当時の気持ちを振り返っている。

記者C 運が良いのか悪いのかわからないが、国会議員初の感染経験者だ。その貴重な経験を生かして、感染者やその家族、医療関係者に対する差別解消の議員立法に取り組んできた。先の臨時国会では一部野党の協力が得られず提出できなかったが、ぜひ実現してもらいたい。

<つづく>