上越市職員がまた飲酒運転 今年3件目 根絶へ「行動指針」策定

新潟県上越市は2023年9月25日、酒気帯び運転をしたとして、ガス水道局経営企画課の40代男性係長を停職5か月の懲戒処分にしたと発表した。同市では職員による飲酒運転事案が相次いで発覚しており、今年3件目。事態を受け、市は同日付で「飲酒運転の根絶に向けた行動指針」を策定した。

新潟市で飲酒後、車内で仮眠

市によると男性係長は8月25日夕方、私用のため自家用車で新潟市に向かい、午後6時頃から同10時頃までの間、友人と市内の飲食店2店を訪れ、生ビールを中ジョッキ3杯と日本酒1合を飲酒した。コインパーキングに止めていた車内で仮眠し、翌26日午前4時頃、トイレに行くため近くのコンビニエンスストアまで運転し、その後移動しようと運転していたところ、検問中の警察による呼気検査を受け、基準値以上のアルコールが検出された。26日中に男性係長から直属の上司に申告があったという。男性係長は25日、振替休日のため出勤していなかった。

男性係長のほか管理監督者責任として、同課の50代課長を文書注意、50代局長を口頭注意とした。

中川市長、市議会本会議で謝罪

昨年末から相次ぐ職員の飲酒運転事案を受け、この日開かれた上越市議会本会議で中川幹太市長は「全庁を挙げて飲酒運転の根絶の取り組みを進めている中、再び発生したことは誠に遺憾であり、心から深くおわび申し上げます」と謝罪。「全職員に(策定した)指針に基づく行動を日々、実践、徹底するよう強く指示したところであり、職員と共に一丸となって再発防止に取り組んでまいります」と述べた。

議場で謝罪する中川市長ら市幹部

運転を前提とした飲酒後の自動車内での仮眠禁止

策定した行動指針はA4判5ページ。人事課によると、2016年に策定した「不祥事防止・綱紀保持アクションプラン」に飲酒運転に関する項目があったが、今回の事案を受け、飲酒運転防止に限定した具体的な行動指針としてまとめた。

過去の職員による飲酒運転事案の特徴を明らかにしてその対策を記載したほか、「職員個人」「上司・同僚職員」「全庁」ごとに具体的な取り組みを明記した。職員個人では、帰宅時の移動手段確保の徹底のほか、運転を前提とした飲酒後の自動車内での仮眠を禁止した。上司や同僚職員は、酒席中に帰宅方法を確認したり、節度ある飲酒を促したりなどの積極的なコミュニケーションの実施を挙げた。

また定期的に全職員がチェックリストによるセルフチェックを行い所属長が確認するほか、職員のパソコンに定期的に飲酒運転に関する注意喚起のポップアップ表示や動画などを活用した職員研修の強化を図るとしている。