来春オープンの新施設建設のため、2017年5月14日で現施設での営業を終了した上越市立水族博物館の外壁には、5353枚もの魚などの陶板レリーフが飾られている。1枚1枚、市民や来館者らが手作りしたもので、名前の入ったものも多い。現施設は今後取り壊されることから、「自分で作った陶板を記念にもらえないか」という声が上越タウンジャーナルに寄せられている。外壁の陶板レリーフはどうなるのか、調べてみた。
来館者や市民が手作り
現施設は1980年7月に開館。陶板レリーフは、1996年に国際障害スカウトキャンプ大会に参加した子供たちが作ったほか、2009年度に行われた外壁の改修工事に合わせて市民や来館者が手作りしたもの。いずれも市内在住の陶芸家の高井進さんの指導で行われた。
イルカやペンギンなど5353枚
市民らが手作りした陶板は5353枚に上る。群れで泳ぐ大小さまざまな魚類をはじめ、クジラやイルカ、エイ、タコ、ウミガメ、マンボウ、ペンギン、アザラシなど海の生き物が建物全体の外壁や隣接する公園の塀などを賑やかに彩っている。
名前入りのレリーフも多数
多くの作品には製作者が名前や団体名を絵付けしていて、泉田裕彦前新潟県知事や村山秀幸上越市長らの作品もある。
解体したらどうなるの?
レリーフは落下防止のため、強力な接着剤と金属製のネジで壁に取り付けられている。上越市新水族博物館整備課では業者に依頼してレリーフを壁から取り外すことを試みた。試しに強い力ではがしたところ、粉々に壊れてしまったという。このため、市では原型のまま取り外すことは断念し、記録として残すことにした。
1枚1枚判別できるよう記録
レリーフは3階建ての建物全体に張り付けられているため、市ではドローンなどを使って写真撮影した。写真記録は1枚1枚が判別できる状態で、現在、ホームページに掲載する準備を進めている。市水族博物館整備課では、「水族博物館の思い出として見ていただければありがたい」と話している。
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