回顧2022年 上越タウンジャーナル記者トーク(3)

今年1年を振り返る記者トークの前日からの続きです。(記事中で色の変わった文字をクリックすると、記事が別ウインドウで開きます)

安倍元首相暗殺事件

記者A 本当にびっくりしたし、ウクライナで戦争が始まったのと同じくらいショッキングだった。

記者C 安倍元総理は、現職時代を含め上越市に最も多く訪れた首相経験者だったと思う。かに池公園の集会は何度も取材した。

記者A 高鳥修一さんの事務所に設けられた献花台にも多くの人が訪れ、安倍元首相が上越に来た際に一緒に撮ってもらった写真を持ってくる人もいた。

高鳥修一上越事務所で献花する女性(2022年7月13日)

統一協会

記者B 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡っては今年7月に上越市が関連団体の主催するイベントを後援していたことが判明。中川市長は9月の市議会で今後は後援せず、関係も持たない考えを表明した。

記者A 統一教会の関連イベントは、上越市が後援したもののように比較的分かりやすいものもあれば、ちょっと見ただけでは分からないものもあるので行政としては難しさがあると思う。

記者C この問題を巡っては、上越タイムス社が市とともに後援していたほか、石田裕一市議会議長が4月に市内で開かれた世界平和女性連合の総会に出席していた。また、国会議員や一部の県議も一定の関係を持っていたことも明らかになり、意外とここ上越でも浸透しているなあと感じた。

不祥事発覚の3セク

記者A 今年も上越市の第3セクターのあり方が問題となった。市町村合併で増加した温浴施設などの3セクを立て直すため設立された持ち株会社のJホールディングスは、結局、設立から約10年で目立った成果もなく、本年度末で解散することになった。当初は7社あった傘下の事業会社は経営難による解散や民間売却が相次ぎ、小規模な4社だけが残り、もはやホールディングスの意味がないからね。

記者B 今年、4社を統合して一つの会社になり、生き残りをかけて再出発することになるが、コロナ禍や物価高騰が続く中、厳しい船出となるだろう。

記者A 年末になって発覚したのが、リフレ上越山里振興による雇用調整助成金などの不正受給事件。労働局から4000万円以上の返還を求められた。もともと債務超過が10年以上続き、上越市は経営が改善しなければ清算や民間売却もやむを得ないとしていただけに、会社の存廃にも関わり、地元や関係者への衝撃は大きい。

2022年12月16日、記者会見したリフレ上越山里振興の平井社長(左)

記者C リフレ上越より少し前の今月上旬には、奈良県黒滝村で同様の3セクの不正受給事件が発覚し、逮捕者も出ている。

記者A 市は、株式会社である以上、取締役が責任を負うのは当然で、返還金に公金は投入しないとしている。しかし、そもそも第3セクターは地域振興などを目的に政策判断として、民間だけではできない事業を担う会社として設立された経緯がある。おまけにリフレ上越は中川市長の地元桑取地区にあり、地域の代表が社長をはじめ取締役になっている。問題解決に向け、年明けから市の対応が注目される。

中川幹太市長就任から1年経過

記者B 昨年11月に就任して1年以上が経過した。その検証は11月の特集記事に譲るが、その後、副市長4人制の提案を見送った12月の市議会では、退陣要求も飛び出した。

記者A 中川市長は慎重な物言いが目立つようになってきたが、12月の定例記者会見では、記者の質問にほとんど自らの言葉で回答することなく、担当部長や副市長に回答させた。これにはまいったし、驚いた。

記者C 多くは3セクによる雇調金不正受給などについての質問で、対応が難しい問題であることは分かるが、こういうことこそトップである市長の考えを聞きたい。そうでなければ市長会見の意味がない。

記者B この件については、普段は市政批判などはほとんどしない紙面づくりをしている地域紙「上越タイムス」が、中川市長の対応を問題視する記事を「副市長ら『助け舟』 市長に代わり回答」という見出しで掲載した。極めて異例で驚いたが、それほどのことなのだと思う。

記者A 就任2年目。年明けにかけて2度目の新年度予算編成も大詰めだ。公約や市政運営全般について、1年目はあまりうまく進まなかった。来年は目に見えるような形で何かが動き出すだろうか。

<おわり>

回顧2022年 上越タウンジャーナル記者トーク(1〜3)