新型コロナウイルスワクチンの医療従事者を対象にした先行接種が2021年2月22日、新潟県上越市東雲町1の新潟労災病院(入江誠治院長)で始まった。県内で先行接種の実施病院に選ばれたのは同院を含め二つで、柏崎市の新潟病院に続き開始された。
同院には先週18日に米ファイザー製のワクチン1170回分が到着。職員281人のうち129人が接種を希望し、22日は入江院長(65)や看護部長、事務職員ら6人が接種を受けた。
6人は、予診票をもとに問診を受けた後、部屋を移動し、肩に近い上腕に看護師から筋肉注射を受けた。看護師が「指先しびれませんか」などと声を掛けながら、6秒ほどで注射は終了。副反応がないかどうかを調べるため、座って15分間経過をみた。
接種を受けた職員からは「インフルエンザのワクチンよりも痛くない」「細い針で注射するのでほんのちくっとするだけ」などの声が聞かれた。
最初に接種を受けた入江院長は「(ワクチン接種が)やっと始まったかと安堵すると同時に、安全性について情報を提供する責任の重さを感じる。先行接種が、コロナ禍で閉塞感に覆われた社会を明るい方向に導くターニングポイントになれば」と話した。
同院では、今後9日間で全員の接種を行い、1回目の接種から3週間後の来月15日から2回目の接種を実施し、3月26日に完了予定だという。
ワクチンは指定病院以外の医療従事者への接種後、4月1日以降に高齢者への接種が始まる。