観桜会のブルーインパルス編隊飛行や自衛隊パレード中止を要請

高田城百万人観桜会の期間中、新潟県上越市の高田公園上空で予定されている航空自衛隊ブルーインパルスの編隊飛行や陸上自衛隊のパレードを前に2015年4月8日、同市の市民団体など15団体が上越市役所を訪れ、野口和広副市長に飛行やパレードの中止を求める要請書を提出した。

要望書を提出したのは、社民、共産の政党支部や労働組合、弁護士有志の会など。

4月18日に予定されているパレードは、41年ぶりの実施となった一昨年から3年連続で、これまでも上越地域の同様の団体が「観桜会のイメージを損ねる」「上越市の非核平和友好都市宣言の趣旨に反する」として、市に抗議していた。今年は航空自衛隊のアクロバットチーム「ブルーインパルス」の祝賀飛行が4月11日に予定されており、要請書は「高田公園の上空を飛行し、危険極まりない」などとして、重ねて中止を求める内容になっている。

要請書を読み上げる馬場秀幸弁護士(右)
自衛隊中止要請S

15団体を代表して野口副市長に要請書を手渡した馬場秀幸弁護士は「パレードもブルーインパルスも、お花見を楽しむことから外れて、自衛隊のピーアール(の場)になるのが残念」「パレードでの銃や戦車が桜のイメージと合わない。ブルーインパルスを見たい人がいるのは分かるが、騒音や安全の問題がある。他の場所で見せた方が有意義ではないか」と話す。

今回の要請で、市側はブルーインパルス招致の経緯について「46団体で構成する新幹線まちづくり推進上越広域連携会議が招致したもので、当初は新幹線開業のお祝いとして、新幹線駅上空を考えていた。3月14日の開業日は天候が不順であることから、90回記念にあたる観桜会とした」と説明した。

関係団体が指摘した編隊飛行の安全性については「(事故は)あってはならないし、ないように訓練を積み、万全の対策を講じている。隊長が現場で指揮を取り、管制気象隊が来て危険な天候なら中止(の判断)もあり得る」と理解を求めた。

それに対し、要請団体からは「1982年には墜落事故があり、(2014年1月に)訓練中の接触事故もあった。原発と一緒で“絶対”はない。公園の上空というのが心配。誘致をした上越市は責任を取れるのか」と反発した。

野口副市長は「高田の桜は、明治41年に第十三師団の誘致が実ったことから、翌年に2200本の桜が植えられた経緯がある。65年間の駐屯地の存在が、市民の方々から理解、認知をいただいている」と、歴史的見解を述べた。