【父の日企画】上越市出身で偉大な4人の「父」って知ってた?

天文学の父はガリレオ・ガリレイ、現代物理学の父はアルベルト・アインシュタイン、音楽の父はバッハ、経済学の父はアダム・スミス、インド独立の父はマハトマ・ガンディーなど。日本人では牧野富太郎が日本植物学の父、力道山が日本プロレス界の父、渋沢栄一が近代日本資本主義の父、など……。

「○○の父」というのは、学問、芸術、民族の独立、宗教活動、発明などの創始や発展に重要な役割を果たした人を指す。

その「○○の父」が、新潟県上越市出身者に4人もいることをご存知だろうか。

「郵便の父」前島密

1835年2月4日、頸城郡下池部村(現在の上越市下池部)に生まれる。日本の近代郵便制度の創設者の一人で、1円切手の肖像で知られる。「郵便」「切手」「葉書」という名称を定め、「郵便貯金」「郵便保険」も発足させた。「近代郵便制度の父」とも称される。

郵便制度の発足で仕事を奪われた飛脚業界を救うため、受け皿として作ったのが荷物を運ぶ日本通運だった。このほか、江戸遷都、国字の改良、海運、新聞、電信・電話、鉄道、教育など、その功績は多岐にわたる。

前島密
前島密S

◇前島記念館 http://www.postalmuseum.jp/guide/maeshima.html

「日本ワインぶどうの父」川上善兵衛

1868年4月2日、頸城郡北方村(現在の上越市北方)の大地主川上家の長男に生まれる。7歳で家督を継ぎ、農民救済のため、1890年に親交のあった勝海舟の勧めで、ブドウ栽培とワインの醸造を開始する。ブドウの品種改良にも心血を注ぎ、虫害や多湿に強い日本初の醸造用品種マスカット・ベーリーAを育種した。

現在の岩の原葡萄園の創業者。「日本のワインの父」とも称される。

川上善兵衛
川上善兵衛S

◇岩の原葡萄園 http://www.iwanohara.sgn.ne.jp/

「日本児童文学の父」小川未明

1882年4月7日、高田(現在の上越市幸町)に生まれる。「日本のアンデルセン」とも呼ばれ、、浜田広介と坪田譲治と並んで「児童文学界の三種の神器」と評された。生涯に1200編もの童話を書いた。

代表作に「赤い蝋燭と人魚」「赤い船」「金の輪」「牛女」「眠い町」「月夜と眼鏡」「電信柱と妙な男」「野ばら」「月とあざらし」などがある。

小川未明
小川未明S

◇小川未明文学館 http://www.city.joetsu.niigata.jp/site/mimei-bungakukan/

「応用微生物学の父」坂口謹一郎

1897年11月17日、高田(現在の上越市)で生まれる。発酵、醸造に関する研究では世界的権威の一人で、「酒の博士」として知られる。研究成果から、調味料の大量生産など、今日の醗酵工業発展の扉を開いた。

1967年に文化勲章を受章。一般向けの著書に「世界の酒」「日本の酒」「古酒新酒」「愛酒楽酔」などがある。上越市にはその業績を記念し、旧家を移築した「坂口記念館」がある。

坂口謹一郎
坂口謹一郎

◇坂口記念館 http://www.city.joetsu.niigata.jp/soshiki/kubiki-ku/kubiki-sakaguchi.html