イルカ連続死対策で防風壁設置 上越市立水族博物館「うみがたり」

オープンから約2年でイルカ4頭が相次ぎ死んだ上越市立水族博物館「うみがたり」でこのほど、屋上のイルカプールに防風壁が設置された。冬の強風による水面付近の気温低下を防ぎ、飼育環境の改善を図る。

イルカプールの日本海側に設置された防風ネット
20211122イルカプールに防風壁

2018年にオープンした同館では、19年にバンドウイルカ2頭、20年にシロイルカ2頭が死に、現在はバンドウイルカ2頭を飼育する。連続死の原因究明のため市が設置した検証委員会では、イルカプールの上部に屋根や壁がなく、夏の直射日光や冬の強風を受けたことから外気温と水温の差が広がり、イルカにストレスを与えた可能性を指摘。今年7月に日除けを設置するなど対策を進めてきた。

防風壁は2か所に設け、日本海に面した北側には延長約25mにわたって高さ1.4mの防風ネットを、西側のテラスには延長約14mの手すりの下に高さ1mのガラス板を11月15日に設置した。ネットは取り外し可能で、来年3月頃に外す予定。現在同館では、イルカショーは冬季限定の水中パフォーマンスを3月まで行っており、屋上ではなく2階で鑑賞するためショーの景観に影響はないという。工事費は約1760万円。

プール西側の手すり下に設置されたガラスの防風壁
20211122イルカプールに防風壁2

また、11月20日からはプールの水位を約1m下げて風の影響を抑えているほか、通年20度に保っていた水温を冬は低く、夏は高くし、自然界により近い環境を作っていくという。対策の効果については、イルカプールのステージ上と水面の風速や気温を毎日測っており、市教委教育総務課の新部彰課長は「測定結果に基づき専門家にアドバイスをもらい対応していく」と話している。

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