瀬戸内市が国宝「山鳥毛」購入方針 提示額は5億円 上越市長「刀にとっては良いこと」

新潟県上越市が昨年購入を断念した戦国武将上杉謙信の愛刀で国宝の「太刀無銘一文字(号 山鳥毛)」について、岡山県瀬戸内市が購入する方針を明らかにした。瀬戸内市によると、所有者は5億円での売却を持ちかけている。上越市の村山秀幸市長は2018年4月24日、瀬戸内市の購入方針について「刀にとっては大変良いこと」などとするコメントを発表した。

山鳥毛

山鳥毛は岡山県在住の個人が所有しており、岡山県立博物館に寄託されている。上越市は昨年度、専門家による評価額3億2000万円を購入費とした予算を計上し、所有者と交渉したが、最終的に契約金額が折り合わず昨年11月に購入を断念した。

瀬戸内市によると、所有者から今年1月に同市に売却したい旨の打診があったという。提示額は5億円で、同市は今後、専門家による評価委員会を設置し金額の妥当性を評価する。財源はふるさと納税で捻出し、年内をめどに契約締結にこぎつけたい考えだ。

瀬戸内市は、古くから刀剣の産地として知られ、日本刀を専門展示する全国でも珍しい公設の博物館「備前長船刀剣博物館」がある。

上越市の村山秀幸市長は「瀬戸内市は備前刀のふるさと。私たちには手が届かなかったが、購入が決まれば刀にとっては大変良いこと。これからも謙信公の愛刀を見守っていきたい」とのコメントを発表した。

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