新潟県上越市三和区などの突風被害から一夜明けた2025年9月11日、新潟地方気象台の機動調査班が現地に入り、被害状況を確認した。上越市の同日午後3時現在のまとめによると、今回の突風では建物被害36件、けが人2人が確認された。
機動調査班の同気象台の職員4人は正午頃から、被害の大きかった同区上杉地区を中心に、車庫や屋根が飛ばされた民家や幹線道路沿いの根本から斜めに傾いた電柱など、数か所を確認して回った。
このうち三和区大東の杉の木が2本が倒れ住宅と蔵を押しつぶした現場では、住民に聞き取りしたり、倒木で大きくめくれ上がった地面や家の周りの倒木の方向や広がりなどを写真撮影したりして、被害状況を記録した。
同気象台の高橋宙次長は「突風災害であることは間違いない。どれくらいの大きさのものがどれくらい飛ばされたかや、被害が線上につながっているかなどの広がり方を調べ、どのくらいの風が吹いたのかなどの原因を明らかにしていきたい」と話した。機動調査班による調査は引き続き12日も行われる。
気象台の観測では、同市安塚で10日午後2時56分に、9月の観測史上最大となる西北西の風で最大瞬間風速20.4mを記録している。
建物被害36件、軽傷2人
上越市の11日午後3時現在のまとめによると、三和区の70代の男性が自宅の屋根の被害状況を見るためにはしごに登っていたところ足を滑らせて転落したほか、大島区の90代の男性は顔にひょうが当たる被害があった。いずれもけがの程度は軽いという。
屋根や外壁が飛ばされるなどの建物被害は三和区を中心に清里区や牧区で、住家15件、車庫などの非住家21件の計36件が確認された。これ以外に6区(三和、清里、牧、大島、安塚、浦川原)にわたって、住宅などの窓ガラスが割れる被害が約90件、道路脇や住宅敷地内の倒木などが102件あった。