東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働の是非を巡り、新潟県の花角英世知事と上越地域3市長の懇談会が2025年7月17日、上越市西城町3のデュオ・セレッソで開かれた。再稼働に関し、賛否を示す首長はいなかった。
市町村長との懇談会は、花角知事が県民の意向を把握する手法の一つとして、5月から県内を5ブロックに分けて実施している。これまでに魚沼地域と柏崎・長岡地域で行われ、今回が3回目。上越市の中川幹太市長、妙高市の城戸陽二市長、糸魚川市の久保田郁夫市長が出席し、非公開で行われた。
終了後、知事と3市長が報道陣の取材に応じた。
3市で唯一、柏崎刈羽原発から5~30kmの避難準備区域(UPZ)内にある上越市の中川市長は13日に、UPZ内の柿崎、吉川、大潟、大島の4区の町内会長と意見交換した際に町内会長から出た、豪雪との複合災害時の不安などを知事に伝えた。中川市長は「避難所の空調や除雪などを行う民間事業者や自衛隊との調整、原子力災害全般についての説明を続けてほしい」と述べた。再稼働の是非については「公聴会や県民意識調査などを踏まえて判断したい」とした。
妙高市の城戸市長は「原発の必要性や安全性は国がしっかりと定めるべき。その上で、(再稼働の)地元同意は立地自治体と県で判断してほしい。妙高市はUPZ外でもあるので、地域住民には有事の際の行動などを周知していきたい」と話した。
糸魚川市の久保田市長は「国道8号や148号、北陸新幹線、姫川港の立地の利点を生かして、避難誘導で糸魚川市が貢献できれば」と述べ、再稼働の是非については「県民意識調査など県が行う意見調整を踏まえた上で対応したい」と語った。
花角知事は「市長の意見や気持ちを率直に伺うことができ、貴重な機会になった」と述べた。
懇談会は新潟・三条・佐渡地域が今日18日に、村上・新発田地域は8月7日に開かれる。