釣り人の津波避難対策強化 人気釣り場「直江津港第3東防波堤」今季オープン

新潟県上越市八千浦の直江津港第3東防波堤管理釣り場が2024年3月8日早朝、今シーズンの営業を開始した。元日に発生した能登半島地震の津波被害を受け、堤防に距離付きの避難経路表示や管理棟に津波ハザードマップを掲示するなど、釣り人の津波避難対策を強化してのシーズン開始となった。

新たに堤防に距離付きの避難経路を表示

釣り場はNPO法人ハッピーフィッシング運営の下、JERA上越火力発電所東側の防波堤全長660mのうち、先端から460mが毎年開放されている。釣れる魚の種類が豊富で大物も期待できるため、県外客を中心に大人気の管理釣り場で、県直江津港湾事務所によると2023年は約2万3000人が来場した。

能登半島地震発生時は冬季閉鎖中で、どの程度の津波が押し寄せたかは不明だが、東に約2.5km先にある大潟区の大潟漁港では津波で漁船が転覆したり、漁に使う機械や網が流されたりする被害があった。

管理棟に掲示されている津波避難経路図

同管理釣り場から津波で避難する場合、防波堤の先端からだと、津波注意報発令時の避難場所となる1次避難場所の管理棟付近まで約0.7km。津波警報や大津波警報発令時の2次避難場所となる海抜約10mの保安林までは、管理棟付近からさらに約1.3kmあり、最長で計約2kmを原則徒歩で逃げなければならない。

このため1次避難場所の管理棟付近から、200m間隔で2次避難場所までの距離表示を設置したほか、道路脇の2次避難場所への登り口には木製看板を立てた。管理棟内には同市の津波ハザードマップを拡大印刷して掲示し、釣り人が受け付け時に必ず記入しなければならない入場誓約書の記入台コーナーでは、人感センサーで「釣り具を持たずにただちに避難してください」といった津波避難の注意事項が音声で流れるようにした。

距離表示や木製看板は仮のもので、今後1か月程度で津波防災のピクトグラム付きの距離表示や金属製看板を設置するという。

高台の保安林が2次避難場所

入場誓約書の記入台コーナーには津波ハザードマップを掲示

ハッピーフィッシングの担当者は「無理をして防波堤の先端に行くと逃げ切れない場合もあるので、自分の体力や体調を見極めて釣りをする場所を決めてほしい。津波対策は今後もできることはやっていくので、地震や津波に注意しながら釣りを楽しんでほしい」と話した。

入場料は中学生以上1500円、小学生750円。小学生未満は入場不可。開放期間は10月末までで、時間は各月の日の出から日の入をめどに設定される。問い合わせは同法人直江津現場事務所070-4375-5452

直江津港第3東防波堤管理釣り場(2024年3月7日撮影)

直江津港第3東防波堤管理釣り場ホームページ

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