新潟県上越市東雲町1の新潟労災病院が2026年3月13日、全ての診療機能を休止した。同病院は独立行政法人労働者健康安全機構(神奈川県川崎市)が運営し、1958年に開院。直江津地区の中核的な総合病院として68年にわたって地域医療を支えてきたが、医師不足などで診療機能が低下し、3月31日をもって閉院する。

閉院は2023年6月、上越地域の医療体制を県や地元3市、医療関係者で検討する上越地域医療構想調整会議で決まった。同病院の診療機能は、市内の6病院(県立中央病院、厚生連上越総合病院、上越地域医療センター病院、知命堂病院、県立柿崎病院、さいがた医療センター)に移行する。
同病院によると、パート職員も含め勤務する185人のスタッフのうち、受け皿となる6病院には医師7人、看護師50人、薬剤師や臨床検査技師、放射線技師などの医療技術職23人、事務職7人、調理員1人の計88人が採用される。

診療休止に向け、整形外科などほとんどの診療科は昨年12月26日で新規外来の受け入れを休止するなど、年末から13の診療科の体制を順次縮小し、他の病院やクリニックへの患者紹介を進めていた。整形外科と脳神経外科、歯科口腔外科の入院は2月28日以降は受け入れを休止し、既存の入院患者のみ診療していたが、先週までに全員が入院治療を終え退院したという。
傳田博司院長は「全ての診療機能を休止することは患者に負担や不安をかけることになり、極めて重い判断であると受け止めている。新潟労災病院は地域の皆様に育てていただいた病院であり、多くの方から信頼され、必要とされ続けたことが何よりの支えだった。閉院という結果となったが、これまでいただいた思いと信頼に対して深く感謝し、最後まで責任を持って対応していきたい」と話した。
夫が3年ほど前から整形外科に通院していたという名立区の60代の女性は「送り迎えもしているのでなくなるのは困る。転院先の病院は駐車場が狭く、混んでいる。看護師の娘が昔勤務していた時はかなり忙しかったのに、なぜこんなことになったのか」と残念がっていた。