上越市大町5にアニメ制作会社 空き家改修で東京から本社移転しミニミュージアム併設

新潟県上越市大町5の雁木通りにアニメ制作会社「スタジオ藍丸(らんまる)」(大津多美子社長)の新社屋が完成し、2023年9月10日、オープニングセレモニーが行われた。同社は2022年12月に東京都練馬区から同所に本社を移転しており、新社屋の完成でスタッフ2人が移住してアニメ制作を行う。

上越市の本社勤務の岡尾監督(右)とスタッフ

同社は2003年に東京都で創業し、従業員は3人。作品実績に「HAPPY☆LESSON」シリーズ、「学校の怪談」などがある。また声優育成事業や町おこしアニメを中心とした地方創生事業にも取り組んでいる。

新社屋は雁木通りに面した空き家を改修し、1階は同社のスタッフや関係者が携わったアニメの絵コンテや原画、台本、作品のDVD、グッズなどを展示したミニミュージアム、2階は制作スタジオとなっている。本社移転や新社屋改修の経費や家賃の一部を県、市が支援している。

2階の制作スタジオ

地域住民らも見守る中で行われたオープニングセレモニーで同社の岡尾貴洋監督は「上越市を何度も訪れるうちに、ここに骨をうずめ、アニメで町を盛り上げたいと思った。大町5で会社を大きくしていきたい」と語った。

また来賓の橋本憲次郎副知事は「世界から見ればアニメは日本文化を発信するキラーコンテンツ。雁木やアニメなどを組み合わせ、まちづくりに生かす発信拠点としても活躍してほしい」と期待を寄せ、中川幹太上越市長は「アニメの制作拠点が上越市の雁木町家にできたことは、上越の文化の中心にアニメが入ってきたということ。通年観光にはアニメというソフト部分がいろんな所で生きてくる」と述べた。

橋本副知事や中川市長ら関係者によるテープカット

同市に移住した岡尾監督は「若いアニメーターが技術を身に付けられるように地方で人材育成をする。また専門学校を卒業した若者が(就職で)東京に行かなくていいように、他のアニメスタジオも呼び、アニメをきっかけに地域に横串を入れて町おこしをしていきたい」と語った。

ミニミュージアムは平日を中心にスタッフがいれば自由に見学可能。

「スタジオ藍丸」の場所

www.st-ranmaru.com