=2017年3月30日=
「山カフェ」出店などでおなじみの新潟県立高田農業高校(上越市)の食品科学科食品加工コース新3年生23人が、卵や小麦、乳といったアレルギー対応のメニュー開発に乗り出した。商品製造、販売に向けて情報収集やレシピ作成などをスタートさせたほか、アレルギーに悩む人たちの“声集め”にも取り組んでいる。完成、販売は今年夏頃を目指す。
生徒たちはこれまで、県事業の一環として上越市中田原の「パティスリーオラランティ」の澤田俊太郎さんからケーキ作りを学んできた。独自に開発、製造したケーキや加工品などを販売する「山カフェ」やクリスマスケーキ販売が恒例化してきたことから、澤田さんからの提案もあり、新たな取り組みの一つとして今回初めて、アレルギー対応メニュー開発をスタートさせた。
山カフェはじめ、澤田さん経営の店舗にも「卵アレルギーの子供が食べられるケーキがほしい」など、アレルギー対応メニューに関する問い合わせが年々増加しているという。澤田さんは「アレルギーのために周囲と同じものを食べることができない子供たちに家族で同じケーキをシェアして食べてもらいたい」と力を込める。生徒たちは澤田さんの講義を聞くほか、現在は3、4人の班に分かれ、各班ごとにメニューを考案中だ。
生徒は「(アレルギー対応メニューの)需要はあると思う。卵を使用したケーキにかなわない部分があるかもしれないけれど、他の部分でカバーできるように一生懸命取り組みたい」と意気込んでいる。「豆乳クリームを使ったショートケーキ」「ベイクドチーズ米粉パン」「モンブラン」「アレルゲンフリー大福」「ブラウニー」などを商品化予定で、3月31日から試作実習も始まる。
食品科学科の八木裕之教諭は「これまでは生徒たちがより良いものを作り、商品化し販売することが目的だったが、これからはお客さんのニーズに応えることも必要」と話す。
アレルギー対応商品開発に向け、生徒たちは意見や要望などの聞き取りを実施しており、「商品開発の参考にさせてもらいたいので、アレルギーに悩む方たちの生の声を聞かせていただきたい」と呼び掛けている。意見や要望などはメールで受け付ける。メールアドレスはyagi.hiroyuki@nein.ed.jp