新潟県上越市の直江津駅に隣接して2021年4月29日にオープンするえちごトキめき鉄道の「直江津D51(デゴイチ)レールパーク」が4月26日、報道関係者に公開された。目玉は圧縮空気で動く蒸気機関車(SL)D51形の乗車体験で、同社は同パークを「鉄道の町・直江津」の活性化と地域住民が鉄道に親しむきっかけになることを目指している。
D51は1943年製造の827号機で、1973年まで岐阜県内を中心に走行していた。所有していた鉄道輸送などを手掛けるアチハ(大阪府)から、観光庁の補助金などを活用して5年間のリース契約で借り受けた。
乗車体験は、かつて貨物列車の最後尾で車掌車として使用されていた緩急車「ヨ」2両に乗客24人を乗せ、直江津駅手前までの約250mを往復運行する。緩急車の座席は木製のベンチ風で、天井の扇風機や備え付けのだるまストーブなどとともに昭和の時代をほうふつとさせる。1日4回の運行で、パーク内で午前2回と午後2回配布される整理券が必要。
JRから購入した旧国鉄製413系車両は、国鉄時代の落ち着いたピンクとベージュに塗り替え、全国的にも珍しい扇形の機関車庫「扇形庫」内に展示した。車内や運転席を自由に見学できるほか、鉄道グッズショップを開設。トートバッグやクリアファイルなどのレールパークグッズのほかトキ鉄グッズなど約50種類を販売する。他の鉄道会社のグッズも取り扱い予定。
扇形庫内には、話題を呼んだ「線路の石」の缶詰を実際に作る体験や、景品付きのスマートボールゲームなどが楽しめるコーナーもある。転車台でD51が回転する様子も自由に見学可能。
園長を務める春田啓郎営業部長は「小さい時の思い出はずっと残るので、デゴイチで子どもたちに大きなインパクトを与えたい。地元の皆さんが非常に期待している。(オープンを)きっかけにぜひ上越に来ていただきたい」と期待を込めた。
レールパークは、12月上旬までの主に土日祝日に営業し、時間は午前9時45分から午後5時まで。入場料金は中学生以上1000円、3歳以上700円、3歳未満は無料。シーズン中何回でも入場できるシーズンパスポートもある。D51体験乗車は無料。
チケットは大型連休中はインターネット予約のみで、4月26日現在、連休後半や1日のうちでも午後の遅い時間にまだ余裕があるという。5月6日以降はパークで当日券も販売する。
▽直江津D51レールパーク https://www.naoetsu-d51-railpark.com/