昨年、海岸浸食で大量の砂が流出した新潟県上越市大潟区の鵜の浜海水浴場で2025年7月1日、12日の海開きを前に安全祈願祭が行われた。砂浜消失の影響で昨夏は海水浴場の規模縮小を余儀なくされたが、今年は冬の浸食が少なかった上に、大規模な砂の搬入も行われたことから、例年と同じ砂浜の長さを確保。関係者は「ぜひ足を運んでほしい」と呼び掛けている。
鵜の浜海岸は2024年1月の波浪で一気に砂が削り取られ、海水浴場の長さ約120mの砂浜のうち6割に当たる約70mが消失した。このため昨夏は、砂を搬入できた西側(直江津側)部分の約100mに規模を縮小し、海水浴場を開設した。猛暑の影響もあり、入り込みは前年の約2万5000人の7割程度の約1万7000人にとどまった。
同海水浴場を担当する柿崎区総合事務所によると、今冬は砂の流出は少なく、一部では新たに砂が着いた所もあった。5月にはむき出しのままだった傾斜護岸を保護するため、県が近くの柿崎川河口のしゅんせつ工事で発生した約5000立方mの砂を搬入。昨年の2.5倍に当たる大量の砂を運び入れたことで東側(柿崎側)にも砂浜が広がり、消失前と同じ約120mの長さの海水浴場が復活した。
またこのほど県が発表した県内の海水浴場の水質調査結果では、同海水浴場は最高ランクの「水質AA」となった。
この日海の家で行われた安全祈願祭には、海水浴場を運営する大潟観光協会をはじめ、鵜の浜温泉観光組合、地元町内会、市の関係者など約30人が出席した。
大潟観光協会の近藤誠一会長は「昨年は縮小した海水浴場だったが、関係者の協力のおかげで今年は昨年の倍以上の砂が入り、夏に向けて万全な体制となった」とあいさつした。
鵜の浜海水浴場は鵜の浜温泉街に隣接し、海水浴と温泉が楽しめるのが大きな魅力だ。鵜の浜温泉観光組合の八木健一組合長は「家族連れが安全に十分楽しめる海岸になった。これからも『海と温泉』のキャッチフレーズでやっていきたい」と語った。
鵜の浜海水浴場の開設は7月12日から8月17日まで。今年は地元町内会が運営する駐車場の利用者は、海の家の休憩料や日帰り入浴施設「鵜の浜人魚館」の入浴料(プールも可)が1割引きとなるほか、金土日曜の夜には温泉街を巡りながら楽しめる「縁日」がある。