浸食被害の鵜の浜海水浴場に砂浜と人魚像戻る 7月13日の海開きに向け安全祈願祭

海岸浸食で砂が流出した新潟県上越市大潟区の鵜の浜海岸で2024年7月1日、13日の海水浴場の海開きを前に安全祈願祭が行われた。波浪による砂浜の消失を受け、砂を搬入してならし、砂浜の面積を確保して開設にこぎつけた。波打ち際が迫り、昨年12月に一時撤去されていた同海岸のシンボルの人魚像も、位置を陸側に移し仮設置された。

砂を搬入し、敷きならした鵜の浜海岸

再び鵜の浜海岸に戻った人魚像。右奥が元の台座

同海岸は今年1月末の波浪で一気に砂が削り取られ、毎年夏に海水浴場を開設していた長さ約120mのうち約70mにわたって砂浜が大きく消失した。このため、鵜の浜海水浴場を担当する同市柿崎区総合事務所が地元の関係団体と協議し、今年はこれまでより西側(直江津側)に位置をずらし、人魚像があった台座付近から西に約100mのエリアで海水浴場を開設することになった。

砂を搬入する前の鵜の浜海岸(2024年5月2日撮影)

5月下旬から、県が行っている柿崎区内の橋梁架け替え工事で発生した約2000立方mの砂を海岸に運び入れ、このうち8割を6月24日からむき出しになったコンクリートの緩傾斜護岸にブルドーザーで敷きならした。シンボルの人魚像は台座から約10m陸側に仮設置した。

海の家で行われた安全祈願祭には、海水浴場を運営する大潟観光協会をはじめ、鵜の浜温泉観光組合、地元町内会、市の関係者など約30人が出席した。強風に見舞われたが、西よりの風は海岸に砂がつきやすいため、関係者は砂浜の回復に期待を寄せていた。

砂浜の回復と海水浴場の安全を祈願した

大潟観光協会の近藤誠一会長(62)は「地震に浸食でどうやって立ち直ろうかと模索してきたが、皆様から助けていただいた。人魚像も写真を撮る人が多く、『どうしたのか』という声がいっぱいだった。温泉もあるファミリー向けの海水浴場なので、ゆっくり楽しんでほしい」と話した。

同海水浴場には昨年約2万5000人が訪れ、コロナ禍前の2019年には約5万4000人の入り込みがあった。開設は7月13日から8月18日まで。

鵜の浜海水浴場の開設エリア

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