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焼山の活発な噴気活動が一区切り 火山学者が「小規模な水蒸気噴火だった」と結論

2年前

2016年に小規模な噴火が確認された新潟焼山(2400m)を継続的に観測している新潟県妙高市渋江町の火山地質学者、早津賢二氏(72)は、この冬も目立った活動がなかったことから、上越タウンジャーナルの取材に対し「活発な噴気活動は、一応一区切りついたとみられる」と話した。また、2016年9月に山頂一帯の調査を行い、火山灰を分析した結果、「噴火は小規模な水蒸気噴火であり、噴石を伴う顕著な爆発はなかった」と結論づけた。

2016年7月19日の焼山の噴火(写真=早津氏提供)
焼山噴火2016.7.19-3

2017年4月2日の焼山。山肌は雪で白く、降灰は確認できない
20170402焼山

過去の観測データから判断

早津氏が、2015年夏頃から活発になった焼山の噴気活動に一区切りが付いたとするのは、1974年(昭和49年)の噴火以降、6回あった活発な噴気活動の観測データから見て、次のような理由を述べる。

  1. 一時、何か所もあった噴気地点が、現在は1地点になった
  2. 噴気量が激減している
  3. 雪消えの状態から見て、噴気地帯の地温が低下しているとみられる

ただし、「まだ完全に元の状態には戻っておらず、時々噴気量が多くなることもあるので、もう少し様子を見る必要がある」と話す。

立ち入り規制が出されている焼山山頂(早津氏提供=2016年9月)
201609焼山山頂

山頂の調査で噴火の実態が判明

焼山山頂で火山灰を採取(早津氏提供=2016年9月)
201609焼山山頂調査1

噴火の実態は、麓からでは分からない。早津氏は2016年9月24~25日、許可を得て、地元の焼山愛好会のメンバー2人と共に、山頂一帯の調査を実施した。

そのときに採取した火山灰からは、火山ガラスなどマグマ由来の物質が確認されず、噴火は小規模な水蒸気噴火であったことが判明した。また、登山者を直撃する噴石(火山礫や火山岩など)が落下した痕跡がなく、爆発を伴わず火山灰のみを静かに噴出するタイプの噴火だったとしている。

早津氏は「火山の噴火には、まだまだ分からないことがたくさんある。特に水蒸気噴火については、分からないことが多い。一つ一つの噴火や噴出物についての研究を地道に続け、データを蓄積していけば、次の噴火に生かすことができる」と話している。

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