「総務担当者1人が勝手にやった」 雇用調整助成金不正受給で上越市の3セク社長が会見

新潟県上越市の第3セクター「リフレ上越山里振興」の平井民夫社長は2022年12月16日、国の雇用調整助成金など約3915万円を同社が不正受給していたことについて記者会見した。平井社長は助成金を受給していたこと自体を知らなかったといい、助成金の申請などは同社の総務担当者が1人で行っていたと説明した。

記者会見したリフレ上越山里振興の平井社長(左)と同社の依頼で調査している井之上彩弁護士

同社の助成金の申請に社会保険労務士の関与はなく、今年9月までに新潟労働局が実施した実地調査で不正が発覚した。平井社長は助成金の申請と受給について「(私は)指示していない。職員が1人で勝手にやった」と説明した。同社では弁護士に依頼して調査を進めており、結果がまとまり次第公表するとしている。

労働局からは、不正受給額に加え総額の2割相当の額と延滞金の支払いを求められており、平井社長は「早期に全額返納できるよう努め、真摯に対応する」と話した。同社の経営状況は厳しく、2011年度以降12期連続で債務超過となっている。

同社は上越市の出資比率が87.8%の株式会社で、同市皆口の温泉宿泊施設「くわどり湯ったり村」や大貫2のレストラン「ヨーデル金谷」などの指定管理を受託している。役員は10人でこのうち社長を含む9人が非常勤。従業員は十数人。

上越市は同社の不正を受け先月、同市の3セクや指定管理者合計43法人に聞き取り調査を実施。このうち16法人が助成金を受給しており、不正受給はなかったという。

中川幹太市長は「このような事案が起きたことは誠に遺憾。調査結果を待って市として必要な判断をしていきたい」とのコメントを発表した。

新潟労働局よると、同社は2020年4月から今年7月までの間、休業していない日に休業したとうその申請を行い、従業員を休業させた場合に支払われる雇用調整助成金約3283万円と雇用保険未加入の労働者の休業手当を助成する緊急雇用安定助成金約632万円を不正受給した。

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