沖に流される離岸流に注意 9管や上越海保などが直江津で調査

本格的な海水浴シーズンを前に第9管区海上保安本部と上越海上保安署などは2022年7月5日、新潟県上越市のなおえつ海水浴場で海難事故の原因となる「離岸流」の調査を行った。着色剤を使って海水の流れを可視化し、離岸流の発生状況などを確認した。

緑色の着色剤を海に流し水の流れを観察した

離岸流は、海岸に打ち寄せた波が沖に戻ろうとするときに発生する強い流れのこと。どこでも発生する可能性があり、巻き込まれると最大秒速2mで沖に流され、事故につながる危険性が高い。昨年は同海水浴場で、沖に流され岸に戻れなくなる事故が2件発生した。

こうした事故を防ぐため、9管の管内では毎年場所を変えて離岸流調査を行っている。同海水浴場では6年ぶりの実施で、9管海洋情報部と同署、長岡技術科学大学から9人が参加した。

調査では、2地点から緑色の着色剤を海に流し、小型無人機ドローンで地上約100mの高さから水の動きを撮影した。着色された波が岸と平行に流れ、徐々に沖に流されていく様子が確認できた。

ドローンで水の流れを空撮

ドローンで撮影された沖に流れていく着色剤(第9管区海上保安本部提供の動画より)

同大の犬飼直之准教授は「今日は波が穏やかだったが、それでも沖への流れが発生した。いつの間にか足の付かない所に流れることがあるので、波が穏やかでも安全ではない」と危険性を語った。

離岸流に巻き込まれた際の対処方法について、同署の畠山正弘次長は「流れに逆らい、岸に向かって泳ぐのではなく、岸と平行に泳ぎ、流れから外れて。ライフセーバーなど近くに人がいれば、浮いて助けを待つのもいい。海水浴場として定められた場所で、ルールを守って楽しんでほしい」と呼び掛けた。

調査結果は9管海洋情報部のホームページで今後公開する予定。