休館中の上越市のホテル「米本陣」民間企業が有料老人ホームに活用方針

新潟県上越市は経営悪化のため指定管理者の第3セクターが撤退した同市三和区宮崎新田のホテル「三和ネイチャーリングホテル米本陣」についてこのほど、茨城県で有料老人ホームや訪問介護事業などを行う「AGRI CARE(アグリケア)」を、有償譲渡の優先交渉先に決めた。同社は施設を有料老人ホームとして活用する方針。2022年4月27日に開かれた三和区地域協議会で同市が報告した。

有料老人ホームとしての活用が検討されている旧「三和ネイチャーリングホテル米本陣」

同ホテルは、運営していた三和振興(2021年に会社清算)が経営悪化で指定管理を辞退し、2021年4月から休館している。同市は施設の譲渡または貸付けによる利活用策を募る公募型プロポーザルを実施し、アグリケアを含め2社から応募があった。

アグリケアの提案は、建物を購入して有料老人ホームに転換し、温泉のほかロビーやレストランスペースなどは地域住民にも開放する。同社は2020年に、休館していた付近の博物館「米と酒の謎蔵」と食の体験施設「味の謎蔵」の2施設を市から購入しており、これらを有床診療所とリバビリセンターに整備して有料老人ホームに在宅医療を提供する。旧謎蔵には将来的に在宅医療のバックオフィス機能を移転させ、同社の各事業所のカルテの代行入力やコールセンター業務などを行うことも検討し、一体的に活用するとしている。これとは別に、同社のグループの医療法人が2020年から米本陣のログハウスを事務所にした訪問診療事業も行っている。

市は専門家と行政による選定委員会の意見を踏まえ、有償譲渡であることや、旧謎蔵と一体的な福祉・医療サービスが提供され安定的な雇用創出も期待でき、施設の一部を一般開放することで地域振興も図れるとして、同社を優先交渉先に選定した。

市施設経営管理室は、これまでの温泉宿泊施設から用途が変わることから「地域住民や関係者に丁寧に説明し、ご理解をいただけるよう努め、譲渡に向けた交渉を進める」としている。5月中旬に住民説明会の開催を予定しているという。

▽メドアグリケアグループ http://www.medagricare.jp/

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